「神戸の洋菓子技術をトップレベルに高めるお手伝いができたと自負しています」と比屋根会長

世界に誇る洋菓子ミュージアムを神戸に[神戸とモノづくり(1)]

株式会社 エーデルワイス
代表取締役会長 比屋根 毅さん

阪神・淡路大震災から20年が過ぎた。
これを節目の年ととらえ、
新たな一歩を踏み出す時でもあると比屋根会長は言う。
神戸の街、洋菓子業界、そしてエーデルワイスの
新たな一歩についてお聞きした。

力を合わせて神戸ブランドを支えよう

―今の神戸の街をどうご覧になっておられますか。

比屋根 この20年でどんどん神戸らしさが無くなってきたように思います。例えば、北野坂や異人館通りには神戸らしいブランドのモデル店が並んでいました。絵になるエチゾチックな風景で、活気があり、歩いていても楽しかったですね。三宮センター街、さんちか、元町商店街なども同じです。震災の後遺症がじわじわと起きているのでしょう、次々と神戸らしい店が撤退していき、今はナショナルブランドと呼ばれるどこにでもある店ばかりが増えてきています。神戸ブランドが廃れてきたと言えるのでしょうね。

―神戸ブランドを守るために何か良い方法はありますか。

比屋根 神戸には洋菓子をはじめ、神戸牛、灘の酒、ファッション、真珠など、いいものがいろいろあります。企業、行政、市民も一緒になってブランドを支えるために力を入れなくてはいけないと、私は思っています。イベントもいいでしょう…2008年の姫路菓子博はとてもいい成功例です。大丸元町店を中心とした旧居留地は、神戸らしさを上手く維持しながら発展していますね。いいお手本になると思います。

神戸に洋菓子の総合施設を!

―ご自身の震災後20年については。

比屋根 私は震災当時、「大阪の洋菓子業界の振興を」と依頼があり、大阪府洋菓子協会副理事長を務めていました。震災で神戸が大変な状況になったのを機に、兵庫県洋菓子協会会長として戻ることになりました。独自の海外研修制度の創設をはじめ、大丸神戸店の協力を得て開催する「洋菓子フェスタ in Kobe」や各種コンテスト、協会内での訓練校、技術講習会などを積極的に進め、神戸の洋菓子職人が全国大会で常に優勝するまでに至りました。僭越ながら、神戸の洋菓子技術を全国トップレベルまで高めるためにお役に立てたと自負しております。

―エーデルワイスの今後についてはどうお考えですか。

比屋根 私の夢は、1階に洋菓子ショップ、2階にカフェ、3階に職人育成学校、4階には、現在本社で所蔵しているヨーロッパの洋菓子に関する古書、資料、コレクションなどを展示するミュージアム、こんな施設を神戸に造ることです。日本だけではなく、世界に誇れるものを造りたいと思っています。さらに、フランスでの国家最優秀職人賞(MOF)のような制度を国に創設してもらって、神戸が中心になって運営していければいいなというのが大きな夢です。

―故郷・沖縄にも出店されるそうですね。

比屋根 あと1年でエーデルワイス創業50年です。正直、神戸での夢の実現にはまだ時間がかかりそうです。まずは何か故郷に恩返しができないかと考えていたところ、現地の経済界から「今、明るいニュースがない沖縄に火を灯して欲しい」という強い要請を受けました。そこで具体的なお話を進め、いよいよ25日、那覇に路面店をオープンすることになりました。とてもオシャレな店です。続いて3月に、百貨店リウボウと那覇空港にも出店予定です。

―創業50年、沖縄を出て60年、ご苦労も多かったでしょうね。

比屋根 昨年1月、テレビ東京の「カンブリア宮殿」で、村上龍先生に「波乱万丈という贅沢」という言葉をいただきました。贅沢とは、いろいろな経験をしてきたから良かったね、という意味だそうです。本当にいいコメントをいただいたと思っています。

小さな街おこしの試みが地元に大きな刺激を与える

―これからの神戸について。

比屋根 震災から20年が過ぎ、犠牲になられた方への鎮魂の思い、未だ苦しんでおられる方への思いを新たにすることはもちろん一番大切なことです。併せて、21年目に向けて新たな一歩を踏み出す時でもあると思っています。

―どんな一歩が良いでしょうか。

比屋根 他所から人を呼ぶのも一つの方法ですが、市民生活に直結した街おこしをしていくことです。手前味噌ながら、尼崎で一昨年に続き「スーパースイーツ2014 In尼崎」を開催し、街おこしを試みています。人気がますます高まり、地元がそれによって刺激を受けていると思います。毎年クリスマスには、ここ本社社屋もイルミネーションをして、皆さんに喜んでいただいています。細やかなことですが、これも街の文化をつくる一つの方法だと考えています。神戸は港町というエキゾチックなイメージがあり、山と海に囲まれて地形的環境にも恵まれています。市民はみんなセンスがあるのですから、いろいろなことができるはずです。兵庫県と神戸市、企業、市民が協力して神戸らしい文化を高めていくべきです。そうして初めて、街は発展するものではないでしょうか。

―神戸の新たな一歩にぜひお力添えいただきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

ベルギー王室御用達のチョコレートブランド「ヴィタメール」

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洋菓子ブランド「アンテノール」が誇る「アンテワーズ」はケーキのような口どけのクリームダックワーズ

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フランス西部、ブルターニュ生まれのフランスパンのブランド「ルビアン」

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洋菓子にまつわる貴重なコレクションを有する。今後、世界に誇れる総合洋菓子ミュージアムの設立を目指す

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尼崎にある本社工場。最上階に洋菓子ミュージアムを有する

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エーデルワイス尼崎店

兵庫県尼崎市尾浜町1-3-22
TEL.06-6426-2593
営業:9:30〜17:30
休業:年中無休

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株式会社 エーデルワイス
代表取締役会長 比屋根 毅さん

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目次 2015年2月号