Aちゃんが折り紙で作った本「かめのものがたり」

里親ケースワーカーの 〝ちょっといい お話〟

親と暮らせない子どもたちが、施設ではなく一般の家庭の「里親」のもとで暮らせるよう活動を行う家庭養護促進協会で、子どもと里親と交流しているケースワーカーから「ちょっといいお話」をうかがいます。

子どもは里親に出会うことによって、変わっていくものなのだなと実感した最近のできごとです。
Aちゃんは無口で、まったく人とうちとけない子どもでした。里親と暮らし始めて1ヶ月後の訪問でも、私が「一緒に遊ぼう」と言っておもちゃに手を伸ばすと、その手を黙ってはらいのけてしまうんです。生みの親は毎日ケンカや暴力が絶えなかったようで、結果、離婚し、Aちゃんは施設に預けられました。その中で、自分の殻の中だけで生きてきたのでしょうか。
3歳のときから里親と一緒に暮らすようになりました。半年後の家庭訪問で、Aちゃんと会いましたが、表情が明るくなり、顔つきまで変わっていてびっくりしました。里親は特別なことをするわけではなく、ただ普通の親子のように一緒に暮らし、その中でAちゃんは、親がいなくなる不安や心配が消え、だんだん心を開いていったのでしょう。
先日訪問したら幼稚園で物語を作っていました。『ふしぎなランドセル』というタイトルで、「もう寝なさい」とお母さんに言われて目をつむると、朝起きたら「ランドセルが魔法のほうきになっていました」というファンタジックなお話でした。想像したり、お話作りが好き、という彼女の持ち味が現れてきたんですね。幼稚園でもお友達に声をかけてもらったりしているようです。「上手だね」「おもしろいね」と認めてもらって、子どもはさらに成長していきます。私はAちゃんから逆に『かめのものがたり』というお話を作るように、と宿題を出されてしまいました。お話作りは私にとっては大変難しいので、少し困っています(笑)。

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お話/米沢普子さん

〈家庭養護促進協会神戸事務所 ケースワーカー〉

社団法人 家庭養護促進協会

TEL 078・341・5046
神戸市中央区橘通3-4-1 
神戸市総合福祉センター2階


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目次 2012年1月号