「健診を受ける人の目線に立った人間ドック」をコンセプトに、4月1日(水)オープン予定

兵庫医科大学 健康医学クリニックで安心を

近年、増加の一途をたどる生活習慣病の早期発見と予防に大きな役割を果たす人間ドック。「健診を受ける人の目線に立った人間ドック」をコンセプトに掲げ、「兵庫医科大学健康医学クリニック」が4月1日オープンする。設置準備室長の山本徹也さんにお聞きした。

より多くの健診を受け入れ健康維持と病気予防に貢献

―健康医学クリニック設置の経緯と目的は?
山本 従来の健診部門が手狭になってきたため、規模を拡大し、最新の検査機器を導入して新たにオープンすることになりました。治療だけでなく予防にもより力を入れていこうという兵庫医科大学の方針に沿って、地域住民の健康維持のためにさらに発展させようという目的をもっています。

―新しいセンターの特徴は?
山本 健診内容については項目がいくつか増えています。また、これまでは、1週間に10名程度の健診受け入れで限界だったものが、新しいセンターでは最大50名程度まで受け入れが可能になりました。一日3部制で、土曜日・日曜日も平日と同じく健診を実施し、より多くの人に受けていただけるようになったことが大きな特徴です。

―これまでの健診結果から見えてくる現代人の健康状態は?
山本 やはり、生活習慣病が多いですね。高血圧、心疾患、糖尿病、高脂血症の類が動脈硬化に関わり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしているケースが非常に多くなっています。自覚症状があまりないのが特徴ですから、前もっての健診が重要になってきます。

―医師をはじめ、医療スタッフは?
山本 私を含めた専属医師の他、内視鏡、放射線、超音波などは大学病院のベテラン専門医が担当し、看護師は主に大学病院での経験者が担当するなど、十分な体制を整えています。

―患者さんや大学病院にとってのメリットもありますか。
山本 患者さんが大学病院を受診すると、各科で専門的に見てもらえる一方で、センターでは全体的にみてもらい生活習慣を改善し病気を予防することができます。予め了承を得た上で、健診を受けた方のデータを大学に提供させていただきます。データ蓄積ができることで、大学では健康な人と疾患がある人とを比較しながら研究を進めることができ、研究成果を患者さんに還元できるようになります。

人間ドックは「基本コース」と「オプションコース」

―健康医学クリニックでの人間ドックには、どういった健診コースがありますか。
山本 基本コースでは、血液・尿検査、胃カメラ、腹部超音波検査、胸部レントゲン、心電図など一般的な検査をしてもらいます。レディースドックはそれに乳がん、子宮がん、骨密度検査が加わります。この基本コースに、循環器ドック、脳ドック、がん検診、PET検査などをオプションとして付け加えることができます。もちろん、オプション健診のみを受けることも可能です。

―健診で生活習慣病予備軍になった場合はどういう対応をされるのですか?
山本 まず問題点を指摘して、気を付けていただく点を助言します。必要な場合は然るべき受診をお勧めします。生活習慣指導を希望される場合は、クリニック内で受診していただくことも可能です。セルフコントロールが最も重要ですので、指導に沿って生活習慣を改善した結果、正常な数値になる場合もありますが、なかなか難しいのが現実ですね。

―がん健診は基本コースだけでは不十分でしょうか。
山本 特に小さながんは非常に見つかりにくいものですから、がん検診を受けていただくと初期の段階で見つかる可能性は高くなります。

―何らかの疾患が見つかった場合は兵庫医大病院で治療ができるのですか?
山本 患者さんが希望した場合はほぼ全分野で治療ができます。他の病院での治療を希望されるのであれば紹介をします。

―クリニック1階の内科外来は?
山本 大学病院にかかっていた患者さんがある程度回復すると、かかりつけの開業医さんに戻っていただくのが通常ですが、中には「このまま通院したい」と希望される患者さんもいらっしゃいます。主にそういう場合に開業医さんと同じ役割を担い、完全予約制で引き受けます。私も毎日、診察する予定です。

土曜日・日曜日も健診実施、水曜日はレディースデイ

―健診を受ける方へのアドバイスをお願いします。
山本 皆さんは50歳を過ぎた頃から健診を受けようと思われるようです。しかし、生活習慣が悪くなりがちなのは、最も忙しく働いている30代から40代後半の頃です。この時期から予防を心がけることで改善が期待できます。新しいセンターでは、土曜日・日曜日も平日と同じように健診を実施していますし、朝7時半からの受診も可能ですので、働き盛りの忙しい方にも利用いただきやすいと思います。費用が気になるところですが、企業によっては人間ドックに対しての補助が出る場合もありますので、活用していただけたらと思います。
 また、女性特有のがんは若い方にも増えています。水曜日にレディースデイを設け、出来る限り女性スタッフで対応する予定ですので、早目に健診を受けられることをお勧めします。

―地域貢献の新しい取り組みはありますか?
山本 地域住民やスポーツセンターなど、要望があれば講演に出かけます。今までは来ていただくのがほとんどでしたが、これからはこちらから出かけていこうと考え、4月から早速始める予定です。

―地域住民の健康増進、病気予防への貢献に期待しています。

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専属医師の他、大学病院の各ベテラン専門医が対応。十分な健診体制が整う

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予め了承を得て、健診データを大学に蓄積。 研究成果を患者に還元できる

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研究成果を患者に還元できる

健診で見つかった疾患のほとんどは、 兵庫医科大学病院で治療を受けられる

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新センターでは、土日や朝早くからの健診も可能に。 働き盛りの多忙な人も利用しやすくなる

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水曜日のレディースデイには、できる限り女性スタッフでの対応を予定

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兵庫医科大学名誉教授 兵庫医科大学 健康医学クリニック院長 山本 徹也さん

兵庫医科大学名誉教授
兵庫医科大学 健康医学クリニック院長
山本 徹也さん

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山本 徹也さん

兵庫医科大学名誉教授
兵庫医科大学 健康医学クリニック院長


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目次 2015年3月号