神戸のカクシボタン 第十六回

写真/文 岡 力

「明石で生まれた地ウィスキー 江井ヶ嶋酒造株式会社」

 NHK連続テレビ小説「マッサン」の影響を受け国内全体がウイスキーブームに沸いている。そんな中、行きつけのバーで「山崎」や「余市」と共に陳列されている「あかし」と描かれたラベルが目に留まる。バーテンダーに聞くと「これは、明石産のウイスキーです」と軽い返答。これまで「関西と酒」をこよなく愛してきたが全然知らなかった。日頃からわかったような顔で酒を嗜んできた自分を恥じた…平然を装いお店を退散した後、一目散に取材アポイントをとる。
 神戸市の西南30キロ、淡路島を向かいに瀬戸内海を望む西灘地区。このあたりは、江戸時代から上質の酒米(山田錦)や六甲山系の宮水といった豊かな資源により日本酒造りで栄えた土地。1888年(明治21年)、28軒あった酒蔵のうち5軒が合併し創業したのが江井ヶ嶋酒造である。清酒作りの傍ら古い体質に固執することなく洋酒製造に対しても積極的に取り組み1919年(大正8年)には、ウイスキー製造免許を取得。現在、清酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、ワインを商品展開する総合メーカーとして国内外からも注目されている。兵庫県唯一の蒸留所で造ったモルト原酒をオーク樽で貯蔵しブレンドして完成する「地ウイスキー あかし」。「軽快でエステリー(甘く華やかな風味)」と称される味わいは、女性にもオススメである。商品群としては、より個性が楽しめる「シングルモルト」や安価な「レッド」もある。かわいい形状の瓶に洗練されたラベルデザイン、コストパフォーマンスも高く贈答品にも最適である。取材した夜、バーへ出向き「あかし」を注文。携帯で撮影したポットスチルを眺めながら薄暗い店内で独り余韻に浸る。

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■江井ヶ嶋酒造株式会社

明石市大久保町西島919
http://www.ei-sake.jp

■岡力(おか りき)コラムニスト

ふるさとが神戸市垂水区。著書「アホと呼ばれた’80S」「噂の内股シェフ」「関西トラウマ図鑑」
連載「大阪ロマン紀行」(大阪日日新聞)
出演「おちゃのこSaiSai」(J:COMチャンネル)
「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)


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目次 2015年4月号