病気を治す名医だけでなく、病気にさせない名医になりたい

医療法人ナチュラルスマイル会
児玉歯科医院
児玉 秀樹さん

 

歯科医師である児玉先生が、なぜ慶應に行こうと思われたのですか?
私は、今の歯科医療に疑問を感じたからです。まず医療こそ年中無休でなければいけないと思いませんか?私たちは年中無休で、昼休診もありません。「病に休日なし」です。医師こそ病にあわせて仕事をすべきです。
それと、歯科医療もすべて保険が効くべきだと思いませんか?今日では保険と保険外診療とでは治療技術に大きな差があります。このままでは、お金のある人と無い人とでは、ますます受けられる医療に差がひらいてしまいます。それはおかしいと思ったからです。当院では、なるべく保険が効くところは保険で、保険でできない部分はなるべく安く行うようにしています。
また、制度への疑問もありました。私どもの医院は、優秀な医師をヘッドハンティングして採用しています。このため非常に高い人件費がかかっています。しかし、大学出たての研修医が治療してもベテランが治療しても国家指定価格は同じです。そのため当院では、価格は同じで、優秀な医師を雇い、最新の医療機器を購入し、よりよい医療を提供してきたため、患者さんはひっきりなしに来るのですが、どんどん赤字になっていきました(笑)。
そこで、治療技術だけではだめ、人事、組織運営、財務、マーケティング、戦略論など経営学を学ばなくてはいけないと思いました。そんな折知ったのが、大学院の慶應義塾大学ビジネススクールでした。
慶應での授業は、色んな会社をモデルにし、会社経営のあらゆる問題をディスカッション形式で考えるものです。そして塾生(慶應では、同級生のことを塾生と呼ぶ)同士で色んな意見を戦わせ、夜遅くまで寝食を共にし勉強をしました。この同じ釜の飯を食べた友情が今も続いています。

 

なぜボランティアを行っているのですか?
私たちは、「むし歯のない社会へ」という理念を持っています。この理念の実現のためには、従来からある治療主体の歯科医院だけでは不可能なのです。実現には、治療(治すこと)だけではなく、予防(病気にならないこと)、啓蒙(講習会・知ること学ぶこと)の3つが融合する必要があるのです。
治療においては、質の高い治療を常に研鑽しています。またインプラントなど口腔外科も揃え、トータルに歯科口腔分野をカバーしています。
予防においては、無料でフッ素塗布を行い、定期健診を実施しています。むし歯を幼児期から作らない事を重視し、歯を守るフッ素塗布を早い段階から行っています。また、大人は年2~3回の歯石クリーニングを行います。これで歯周病とむし歯はかなり予防できます。
啓蒙(講習会)においては、痛くなってから歯科にかかるという患者さんを少しでも減らすために、講習会などを無料で行っています。
「知らないから、行かない」「行かないから悪くなってから行く」この悪循環を断ち切ろうと奮闘しています。
そしてこの3つが合わさってこそ、むし歯のない社会を実現できるのだと思います。

 

このように考えられるようになったのも慶應で学んだ論理的思考分析のおかげです。これからも塾員(卒業生をこう呼ぶ)として仲間との親交を深めたいと思っております。

 

20111004001

 

20111004101

 

児玉 秀樹(こだま ひでき)

医療法人ナチュラルスマイル会 
理事長
1971 年6月生まれ。大阪府出身、1996年大阪歯科大学卒業2000年大阪歯科大学大学院卒業2005年医療法人ナチュラルスマイル会設立、2008年慶應義塾大学大学院卒業、現在に至る。
歯科医師、歯学博士、日本口腔診断学会認定医、日本禁煙学会禁煙専門歯科医、MBA。 


ページのトップへ

目次 2011年10月号