[海船港(ウミ フネ ミナト)]ウオーターフロントやまちを優美な帆船で活性化しよう!

文・写真 上川庄二郎

【神戸港は、〝日本丸〟〝海王丸〟の第二の故郷】

神戸港に、毎年何回となく訪れ優美な姿をみせてくれる帆船〝日本丸〟〝海王丸〟は、元々船員養成の練習船として、国の航海訓練所に所属し横浜に設置されており、神戸にも分室が置かれていたことがある。2001年の行政改革により、航海訓練所は独立行政法人となったが、本質的に変わりはない。
そんなわけで、これら、練習帆船は、神戸港を第二のマザーポートとして、度々寄港し長期停泊してくれている。
日本丸は、「太平洋の白鳥」、海王丸は、「海の貴婦人」と呼ばれ、世界でも最大級の帆船として知られている。

【神戸港への寄港実績は】

この〝日本丸〟〝海王丸〟の最近5年間の寄港実績から見てもよく分かる。数字で拾ってみると、日本丸は、5年間で12回寄港し、延べ153日間停泊している。一方、海王丸は、延べ9回、停泊日数は、延べ116日と、両船併せて、21回、延べ269日神戸港に停泊滞在していたことになる。このうち、日本丸と海王丸のアベック寄港が2回、停泊日数は併せて41日に及ぶ。

【神戸開港140年を祝って】

2007年11月には、神戸開港140年を祝って、両船がアベック寄港してくれ、日本丸が9日間、海王丸が7日間停泊してくれている。その間、11月23日には、神戸港で6年振りというセイルドリルを披露してくれた。まことに圧巻だった。

【市民を対象に海洋教室や船内見学も】

練習帆船は、船員の養成だけではなく、広く市民に海や船に対する理解を深めてもらおうと、海洋教室も開いている。私も若い小中学生に交じって体験してみたが、いきなり舳先(へさき)渡り(登檣訓練)で肝を冷やす。次いで。セイル展帆、ロープ引き、甲板磨き、ロープの結び方など船の乗組員となるために必要な訓練をすべて体験させてくれる。
訓練後に食べたカレーのおいしかったこと。さすが、海軍さんのカレーの味?
この他、日を改めて船内見学の催しも行われる。

【夜は、イルミネーションで満艦飾】

停泊中の帆船は、毎夜、電飾で華やかに着飾ってくれ、港を訪れる人たちの目を楽しませてくれる。これが、5年間で269日もあったのだから相当なものである。

【さよならは、登檣礼で】

さて、出航の日は、実習生がマストに上って、〝ごきげんよう!〟を三唱し、見送る人たちに別れを告げる最高の儀礼式〝登檣礼(とうしょうれい)〟で離岸してゆく。なかなかの見せ場である。

【〝日本丸〟〝海王丸〟でウオーターフロントを活性化し、まちづくりに活かそう!】

ところが、これほど繁く寄航してくれる両船に対し、人の集まりがいまひとつパッとしない。
神戸港でしか見ることや体験することのできないこんな素晴らしいパフォーマンスをもっとうまく活用して、ウオーターフロントと結びついたまちづくりに活かして欲しいものである。
近頃の神戸市の財政状況が厳しいことは十分承知はしているが、何かというとお金がないからできない、という言葉しか返ってこない。
お金がなくてもできるこんな素晴らしい観光資源があるにも拘らず、あたら放置している。
そのためには、港湾関係者だけでなく、観光関係セクションや報道、地元商店街、市民団体などと一体となった組織を立ち上げ、真剣に取り組むことこそ肝要と考えるが、如何なものだろう。

神戸港開港140周年を祝って、〝KOBE帆船フェスタ2007〟ガ開催され、2007年11月23日,6年振りに、日本丸、 海王丸が揃い踏みでセイルドリルを披露した。(ポートタワーからの俯瞰撮影)

神戸港開港140周年を祝って、〝KOBE帆船フェスタ2007〟ガ開催され、2007年11月23日,6年振りに、日本丸、
海王丸が揃い踏みでセイルドリルを披露した。(ポートタワーからの俯瞰撮影)

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■かみかわ しょうじろう

1935年生まれ。
神戸大学卒。神戸市に入り、消防局長を最後に定年退職。その後、関西学院大学、大阪産業大学非常勤講師を経て、現在、フリーライター。


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目次 2011年8月号