わたしの神戸デザイン 第6回

人としての優しさを伝えるお店を

 

(株)ジェム代表取締役社長 米田篤史さん

 

―神戸サウナ&スパの歴史と開業についてお話下さい。
米田 神戸サウナは祖父が1954年に創業したのですが、日本にサウナが広まったのは、1964年の東京オリンピックで、サウナ発祥の地フィンランドの選手村にサウナが設置されたのが話題になったことがきっかけのようです。当時、私どももその流れに乗って、都市型サウナ施設として営業を続けてまいりました。1995年1月、阪神・淡路大震災が発生し、多大な被害で営業休止に追い込まれたのですが、多くの方々に「神戸サウナを早く再開して!」と言って頂いたことで、私どもの仕事が地域のお役に立っていたということを、改めて気付かせて頂きました。そして、温泉を採掘し、震災から2年3ヶ月後には営業を再開することが出来ました。
―六甲山系から湧き出る「神乃湯温泉」の効能はどのようなものなのでしょうか?
米田 神乃湯温泉という名前は生田神社さんに名付けて頂きました。元々この辺り一帯が生田神社さんの敷地内でしたから、相談に乗って頂いたのです。地下1004メートルから湧出する天然温泉は、神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復などに適しています。
―サービスの徹底、人材育成に関して力を入れていることはありますか?
米田 弊社にはサービスに関するマニュアルはなく、特別に何かを行なっているわけではありません。ただ、社員によく言っていることは、お風呂は家にもありますし、今はスーパー銭湯もあります。私どもは他よりも高額な料金を頂いている訳ですから、それに見合う価値がなければ、お客様は、再度、お越し頂けないと言うことです。だから、お客様がお店にお越し頂けること自体が、どれだけありがたいことかと言うことを、常に言っております。
―レディススパでは、蒸気浴「ローズ・テルマリウム」などが好評で、岩盤浴も早くから取り入れておられましたが、新しいアイデアはどこから取り入れるのでしょうか?
米田 阪神・淡路大震災からの再建時には、世界中の施設を見に行きました。あえて同業者は見に行かず、旅館や民宿、東京ディズニーランドにも行きました。ローズ・テルマリウムはオーストリアにあったのを参考に取り入れました。岩盤浴は若い人たちにはサウナよりも好評のようです。
―神戸フィットネス&スパは、非会員制で1回ごとの利用も可能とお聞きしましたが。
米田 今は他にもあるかも知れませんが、私どもが始めた当時は、このようなシステムのところがありませんでした。これは私の経験上でもあるのですが、フィットネスは会費を払っていても、なかなか行けない月も出てきて、結果的に月1回のために高い会費を払っているようなことになりかねません。それならば、今から行こうと思い立った時に、手ぶらで立ち寄れるようなシステムがあれば便利だと思ったのです。
―神戸サウナの今後の展開、方向性について教えてください。
米田 最近、改めて自分の頭の中を整理していると、「人としての優しさを伝えるお店」でありたいと思うようになりました。お店としてのサービスだけではなく、人としての心を味わえるのがいいお店だと思うのです。そのためにも、便利になりすぎて、格好は良いけれども、心がともなっていないようなものではなく、昔ながらの暖かい心を感じて頂けるような、ある意味「ベタベタなお店作り」をこれからも続けていかなければならないと思っております。
―ずっと神戸で生活、仕事をされて来て感じる、神戸で暮らすことの素晴らしさはどういうところでしょうか?
米田 神戸の良さは街のコンパクトさのような気がします。ほど良いコンパクトさの中に、いろいろなものが集まっています。そこに海と山があるロケーションは、他の街には決して真似のできないものです。こんな魅力的な街はないと思います。神戸の人はみんな神戸の街が大好きだと思いますよ…

 

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上質なサービスで、男性、女性を問わず多くのファンをもつ「神戸サウナ&スパ」

上質なサービスで、男性、女性を問わず多くのファンをもつ「神戸サウナ&スパ」

 

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米田 篤史(よねだ あつし)

(株)ジェム 代表取締役社長
1969年神戸生まれ、甲南大学経営学部卒。1994年㈱ジェム入社。取締役、取締役副社長を経て2005年代表取締役社長に就任。学校法人米田学園 神港みどり 幼稚園理事長も兼務。屋外の園庭でのびのびと育てる家庭的な保育をモットーに運営に取り組んでいる。2007年には社団法人神戸青年会議所第49代理事長を歴任。


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