組合員同士のコミュニケーションも広がる協同購入

あんしん宅配でくらし快適

生活協同組合コープこうべ
常勤理事 中島三郎さん

 

―今年で90周年を迎えた国内最大の生協コープこうべは、この4月1日大阪北生協と合併し、組合員数165万人の生協になりました。協同購入や個人宅配といった宅配事業を始めてからは何年になりますか。現在の利用組合員数は?
中島 「御用聞き」というルーツから数えれば90年といってもいいでしょうね。現在のような週1回の配達ということであれば35年余りでしょうか。現在、協同購入が約25万人、個人宅配が約21万人、合計約46万人の組合員さんにご利用いただいています。そのうち約23万人は、インターネットで商品が注文できる「eふれんず」会員に登録されています。最近ではパソコンより、手軽な携帯電話を使うネット注文がどんどん増えてきています。

 

―大量の商品を個配で届けるためには、どういったご苦労がありますか。
中島 毎週決まった曜日の決まった時間に、それぞれの商品に合わせた温度帯で品質を維持し、きちんとお届けすることを基本にしています。たとえ夏場でも、手渡しができないお留守の場合でも、同じ品質で組合員の手元まで届けなくてはいけません。

 

―どういう商品に注文が多いのですか。
中島 かさ高いもの、重いもの、保存できるものも多いのですが、特に個人宅配になってからは、冷凍からチルドまで、野菜、生鮮品も含め、生活全般にわたる商品に対するニーズが広がってきています。協同購入と個人宅配で年間約837億円の売り上げですが、圧倒的に食料品が多いです。

 

―安全・安心のためのコープこうべならではの努力は?
中島 専用トラックで地域間を配達してまわるので、まず安全運転ができなくてはいけません。乗車前の安全確認などを徹底しています。3歳までの小さな子どもをお持ちの組合員さんを対象に、月額でいただく個配利用料を半額にする「育児サポート」サービスを実施してきましたが、それを6歳まで延長しました。同じように、高齢の組合員さんや家族に障がい者をお持ちの組合員さんなどもサポートさせていただいています。最近はお仕事などで留守にされる家庭が多いので、個人宅配についてはお届け時間も延長しています。

 

―ひとり暮らしの方の見守りやコミュニケーションにも役立ちますね。
中島 担当者と組合員さんのコミュニケーションを大切にして、決まった曜日の決まった時間に、決まった担当者がお届けすることをお約束しています。高齢者や独り暮らしの組合員さんで、いつもいらっしゃるのに出てこられないので様子を見に行くと、体調を崩して動けなくなっていたというようなケースも年間、何件か遭遇します。また一般の組合員さんでも、商品について聞きたいということもあります。職員は、単に配達するだけでなく、一般的な質問にも対応できるよう商品知識を身につけています。

 

―かなりの研修が必要ですね。
中島 入所時はもちろん、研修は定期的に行っています。商品そのものや社会の状況はどんどん変わります。組合員さんからの質問も多岐にわたります。常に学習しておかねば、きちんとした対応はできません。

 

―でも最近の若者はコミュニケーション能力がないといわれますが…。
中島 コミュニケーション能力は最も重要です。ですから大卒の新入職員には宅配の地域担当を登竜門として配属します。後々、店舗を担当しても、宅配事業で培った力は役に立ちます。

 

―西宮市内では「夕食サポート」も始めていますね。
中島 はい。今年1月より「夕食サポートまいくる」をスタートしました。ここでもコミュニケーションを大切にしようと、組合員が組合員にお届けするシステムを取り入れています。「まいくる」を利用されるのは比較的ご年配の方が多いので、効率を高めるだけではなく、コミュニケーションをとることも大切にしています。定年退職後の男性組合員さんや30~50代の女性の組合員さんが、仕事として、また自分たちが暮らす地域の活動という意識も持ってお届けしてくれています。ご年配の方だけでなく、単身赴任の男性や、あるいは、お母さんが仕事に出ている間に子どもさんが夕食を済ませて塾に行くなど、いろいろな形でご利用をいただいています。ご飯は家で用意するので、おかずだけを「まいくる」でという需要も多いですよ。

 

―いいですね。神戸市内へも広げていただけないのですか。
中島 5月の下旬には神戸市の東部にも拡大する計画です。現在、毎日500食弱をお届けしています。今年度末には4千食をめざし、そこから収支を合わせていきたいと思っています。そうなればいずれは、県内で1日あたり1万食くらいまでは広げていけるのではないかと…。ご期待ください。

 

―東日本大震災ではいち早く支援に行かれましたが、現段階ではどのような状況ですか。
中島 3月13日に先遣隊が出発し、15日には物資を積んだトラック5台を宮城まで走らせ本格的な支援を始めました。その後も、4月中旬まで総勢241人の職員が現地支援に入りました。菓子パンなどの緊急物資の支援は、独自の食品工場を持っているからこそできたことです。電話やネットを通じて被災地から感謝の言葉をたくさんいただきました。逆に私たちが感動し、勇気や元気をいただきました。
今後もボランティア支援は大切ですが、息の長い支援が必要です。被災地に元気を取り戻してもらうために東北の地場産品をどう扱っていくかも課題です。東北地方は生産県が多いですからその産品をきちんと扱い、検査もしっかり行って風評被害を広げないようにすることです。分からないから不安ということがありますので、独自の商品検査センターでは放射能検査機器を新たに導入する予定です。

 

―厳しい時代ですが、今後については?
中島 団塊の世代も高齢化していくこれからの社会では、ネット注文も含めた宅配が伸びていく要素は多くあるでしょう。今後もこの分野に力を入れていきたいと思っています。

 

―高齢者や育児世代にもやさしいコープこうべに期待しています。

 

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中島 三郎(なかしま さぶろう)

生活協同組合コープこうべ常勤理事
(事業本部無店舗事業部、インターネット事業推進室担当 兼 無店舗事業部事業部長)
1976(昭和51)年に灘神戸生協入所。1994年協同購入センター淡路センター長。2006年共済サービス事業部事業部長。2007年執行役員。2009年より現職。

 

便利な個人宅配をはじめ小さな子どもを持つ組合員のサポートも充実

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東日本大震災への支援物資トラック出発式(3月18日)

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目次 2011年6月号