「今、DJの仕事をしているのも中華同文学校の教えが生きている」。 北野ホテルにて

家族一緒に過ごせる時間と空間を大切にしています MEMEさん

心の中に祖国を抱き、世界に目を向ける

―お祖父様の代から日本で暮らしておられるそうですね。
MEME 母方の祖父母が、中華同文学校設立にあたって神戸にやって来ました。その後、祖父は40年以上、校長を務めていました。

―MEMEさんも中華同文学校に通っておられたのですね。
MEME はい。私の両親、私、息子たち三代にわたってです。

―中華同文学校の良さは?
MEME 「胸懐祖国、放眼世界」というのが校訓のようなものです。心の中に祖国を抱きつつ、世界に目を向けようという意味です。グローバルな人材を育てようとしているのだと思います。高校をつくらなかったのも、華僑のコミュニティーの中だけにどっぷりつかるのではなく、日本の社会にも順応していけるようにという意図があったようです。

―子どもを中華同文学校に通わせたいという日本の方も多くなったようですね。MEMEさんの息子さんたちも日本の学校にという選択肢もあったのでは?
MEME 中国語と英語も勉強ができるので人気なのでしょうか。小学校1年入学時に中国語ネイティブの子どもはほとんどいません。そこから始めて3学期にはごく普通に中国語の授業を受けています。子どもはどんどん吸収していくのでしょうね。息子たちは私の母校ということもあったのですが、実は私の祖父が亡くなったときの学校葬に主人も出席し、「なんて素直な子どもばかりのいい学校なんだ!」と感動したようです。

―MEMEさんも英語が堪能なのは学校で学んだからですか。
MEME 今は4年生から英語学習が入ってきますが、私の時代は日本の学校と同じように中学校からでした。華僑の家庭でしたから、従妹や親戚がアメリカやカナダ、香港などで暮らしていて、皆が集まると会話は中国語か英語。英語が通じないともどかしくて、自分から勉強しようという気持ちになりました。言葉に興味があり、洋画、洋楽が好きだったこともあります。

ライフスタイルの変化に対応できる住まいを

―お住まいもずっと神戸ですか。
MEME 小中高時代は中山手通、青谷に引っ越した時期もありましたが、また山本通に戻って来ました。ほとんど近辺ですね。

―青春時代、神戸の思い出の場所は?
MEME トアロードは思い出深いですね。ハイカラで、おしゃれなお店が色々ありました。当時は珍しかったアメリカ雑貨の店「アメリカンファーマシー」が大好きでした。懐かしいです。

―お母様のチャイナドレスのお店もあったそうですね。
MEME 祖母はもともと中国で仕立ての仕事をしていて、来日後、チャイナドレスのカスタムメイドのお店を東門街で始め、母の代になってトアロードに移転してブティックも開いていました。

―現在のお住まいは?
MEME 10年ほど前に古いマンションを一棟買い、私たち家族4人は3階部分約150平方メートルをリノベーションして暮らしています。

―リノベーションするにあたって大切にされたことは?
MEME できるだけ家族一緒に過ごしたいと、リビングダイニングキッチンをかなり贅沢に広く取りました。勉強机もリビングに置いていますが、物置状態。結局、息子二人とも勉強はダイニングテーブルでやっています。キッチンからリビングダイニングが見渡せるようにしていますので、料理しながら子どもたちを見ていられます。幸せだなあと思っています。「いっそ勉強机も要らないのでは?」と言ったのですが、主人曰く「男には隠す場所が必要」だそうです(笑)。

―現在のお住まいについて、こんなふうにしておけば良かったということは?
MEME とても広いLDKのほかは3ベッドルームだけなので、子ども部屋はひとつしかありません。男の子二人が中1、小5にもなると個別の部屋が欲しいようです。さてどうしようか?間仕切りする?などと悩んでいるところです。住まいは将来のライフスタイルの変化に対応できるように造らなくてはいけませんね。

―住空間についての夢はありますか。
MEME 広いバルコニーで家庭菜園などやって…今も屋上にはスペースはあるのですが階段を上らないと行けないので、料理しながら「あら、バジルが要るわ」と、ちょっと摘みにバルコニーに出る、なんて憧れます(笑)。もう一つは、私は仕事柄、洋服や靴がたくさんあるので、きっちり種分けして保管できる広いウォークインクロゼット、シューズクロゼットもあったらいいなあ…。

神戸の魅力はあり過ぎて、語りつくせない

―最後に、MEMEさんが思う神戸の魅力をお聞かせください。
MEME 何といっても山と海を感じられること。六甲山系の山々と開放感にあふれた海が、街と調和している感じがします。都市でありながら身近に自然もある、バランスの良い街ではないでしょうか。
 それと、旧居留地あたりの雰囲気。まるでヨーロッパの街を歩いているような奇麗な街並みです。オシャレなものに限らず何でもあること。私は週末になると市場へ買い出しに行くのが楽しみ。新鮮な野菜や果物、魚、肉、いっぱい買って冷蔵庫に詰めて料理するときがとても幸せです。
 そして、外国人が歩いていても違和感がないコスモポリタンな雰囲気等々、いろいろあり過ぎて語りつくせないほど。住むなら神戸が一番です。

―本日は、ありがとうございました。

1935年頃のトアロード。当時も今も華僑がオーナーのお店が多い

1935年頃のトアロード。当時も今も華僑がオーナーのお店が多い


神戸で暮らす華僑の心の拠りどころとなっている関帝廟。神戸中華同文学校の近くにある

神戸で暮らす華僑の心の拠りどころとなっている関帝廟。神戸中華同文学校の近くにある


MEMEさんは親子3代にわたり神戸中華同文学校に通う

MEMEさんは親子3代にわたり神戸中華同文学校に通う


神戸中華同文学校の校長を務めた祖父(後方左端)とMEMEさん(前列中央の女の子)

神戸中華同文学校の校長を務めた祖父(後方左端)とMEMEさん(前列中央の女の子)


旧居留地はヨーロッパの街を歩いているような綺麗な街並み

旧居留地はヨーロッパの街を歩いているような綺麗な街並み

20150802001

MEME

FM COCOLO ラジオパーソナリティー
大学卒業後、中国領事館に勤務の後、渡米。阪神・淡路大震災を機に神戸に戻り、パーソナリティを務める一方で、二人の男の子の母親として多忙な日々を送る。中国語、日本語、英語のマルチリンガル。


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目次 2015年8月号