品数の多さと品質の高さ、阪神間の食文化をリードするいかりブランド

美味しさのブランド ikari

株式会社いかりスーパーマーケット
会長 行光 博志さん

美味しさと信頼のブランド・ikari。創業し、ここまで育ててきた行光会長に、美と健康に欠かせない〝質の高い食〟についてお聞きした。

洋菓子からスーパーマーケットへ

―行光会長は洋菓子業界出身ということですね。
行光 私が育った家は家業が和菓子屋でした。戦前から親の生活ぶりを見ていましたが、かなりの食道楽でしたね。もののない戦時中はサツマイモを使ってお菓子を作ったり、戦後は砂糖が足りませんからサトウキビでジュースを絞り、煮詰めて砂糖を作っていました。そんな環境で育ってきましたので、まず兄が社会に出る時には菓子職人の見習いに行きました。ただし、これからは和菓子の時代ではないだろうと、洋菓子です。その後、元町で洋菓子の卸をすることになり、私も高校を卒業後、見習いに入りました。
―何故、スーパーを始めることに。
行光 洋菓子の仕事を始めて6年が過ぎた頃、スーパーをやらないかとお話をいただきました。まだお金もなく、また何千品目もの商品を扱いますから大変でした。
―それ以来53年、ずっと現場に関わってこられたのですね。
行光 当初は経験者に来てもらったのですが、人手不足の時代ですからすぐに辞めてしまいます。否応なしに自分でやるしかなくて…、洋菓子づくりでは卵や乳製品、色々な香料など幅広く扱いますから、材料の性質を見分ける感覚がだんだんと付いてきていたことが役に立ちましたね。東京まで通い、紀ノ國屋さんに色々教えていただき、品質の良いものだけ販売するスーパーを目指しました。
―オリジナル商品を作り始めた経緯は。
行光 フランスパンを作れないかと、仕入れていた工場に頼んでみたのですが、作り方が分からない。自分で作るしかないかと、空いていた工場で始めました。当初は、お粗末なパンでしたが、研究しながら改良を重ねました。ほかにも美味しいものを作れないかと、勉強会で北海道へ行くと、山の中でニワトリを雄雌一緒に飼っているんですね。昔、有精卵は当たり前のことでしたから、「これはできる」と説明会を開いて養鶏する人を募集しました。「やってみよう」という人がいて、初めは苦労したようですが、有精卵はヒット商品になり、今は初代のお孫さんが引き継いでくれています。

頭の中は、美味しいものづくりでいっぱい

―一つひとつの商品を作ろうと思いつく時のヒントは。
行光 毎日、四六時中、食べ物のことばかり考えています。販売商品は7、8千品目ですが、「もっと美味しいものができるはずだ」と試作してみたり、担当者に作らせてみたり、自前でできないものは専門の職人さんやメーカーさんに提案したり、そんなことをずっと繰り返しています。他所にはない美味しさがなければ、わざわざ私どもの店まで買い物には来ていただけません。美味しいものが出来上がると、「美味しい」「健康に良い」と喜んでいただけます。
―お客様のニーズに応じて商品を作るのですか。
行光 変化の速い時代ですから遅れないように、皆さんのご要望を的確につかむように全社あげて取り組まなくてはならないと常に社員たちには話してきました。かなり対応ができるようになってきました。また、使っている材料は全て表示しなくてはいけない時代ですし、お客さまもきちんと表示を見てから買われます。そこで、今の社長が中心になって勉強会を開き、表示管理士の数も業界一になりました。
―阪神間は、質の高い食へのニーズは高いでしょうね。
行光 そうですね。阪神間の皆様のレベルの高い要求が私共をここまで引っ張って来て下さったと思っています。
―地産地消については。
行光 それほど多くはないのですが、洋菓子時代からお付き合いがある共進牛乳さんにはいかり「神戸牛乳」を作ってもらっています。4月からは、神戸市西区の農家が生産したそばを使った「たぬき庵 なまそば」の販売を始めました。

美味しさの秘密は、手抜きをしないこと

―いかりオリジナルの美味しさの秘密は。
行光 添加物は極力使わずに美味しさを出すというのがテーマです。賞味期限は短くなりますが、質が最優先です。また、原材料を吟味しないと美味しさが出せません。良い食材を使うことで、どこよりも美味しいものを作るよう努めています。ほとんどの自社商品は宝塚工場で作り、卵の産地の岡山工場では、卵焼きや丸ごと鶏を使ったスープを作っています。スープは、和洋中の自社商品や中華レストラン「愛蓮」で水がわりに使い非常に役立っています。
―人気の「愛蓮」ですが、何故、中華を始めたのですか。
行光 私が、中華料理が好きで、自分が食べたいから(笑)。神戸まで行かないと美味しい中華が食べられない。それならば、自分で作ってしまおうと…。人工調味料は殆ど使っていません。
―お弁当も好評ですね。
行光 通常のお弁当は、どこかから仕入れてきたものの詰め合わせですが、いかりのお弁当の中身は全て原材料から吟味したオリジナルです。腕は二番でも、材料は一番で!一品でも食べ残されるおかずがあったら、お弁当は失格です。
―オリジナル以外で扱う商品についての基準は。
行光 以前は自分で食べてみて、これはいいと判断していましたが、最近は品質管理室や検査室でもチェックしています。小さな規模のスーパーですから、扱う商品は絞り込まなくてはいけません。美味しいのはもちろん、安全・安心で、健康と美容にも良いと自信を持ってお勧めできるものに限って販売させていただくのが私どもの務めだと考えています。私は「顔の色つやが良くてお元気ですねえ。その秘訣は?」と聞かれると、「いかりの食べ物です」とお答えします(笑)。これは冗談ですが、食べ物が健康や美容に及ぼす影響はとても大きいと思っています。
―これからのいかりについて。
行光 手抜きをしない食料品の販売店であり続ける。これが願いです。私がいつまでも働き続けられるわけではないのですが、社長と従業員たちが引き継いでいってくれると思っています。
―まだまだ現役で、美味しいものづくりを楽しんで下さい。本日はありがとうございました。

会長室には、会長自ら料理を考案するためのキッチンも

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オリジナルブランドのアイテム数の多さも魅力である。「神戸牛乳」「有精卵」「いかり胡麻ドレッシング」など、数々のヒット商品が生み出された

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多くの自社製品が宝塚工場で生産される

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いかりスーパー直営の中華レストラン「愛蓮」

いかりスーパー直営の中華レストラン「愛蓮」

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行光 博志(ゆきみつ はくし)

1936年岡山生まれ。1955年 兄が経営する神戸元町の「錨堂」にて洋菓子製造の修行を行う。㈱いかりスーパーマーケット創業、専務取締役に就任。1981年代表取締役社長に就任。1991年社団法人日本セルフ・サービス協会(現:一般社団法人新日本スーパーマーケット協会)会長に就任。趣味は、世界中の珍しい美味しい商品開発めぐり。


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目次 2013年6月号