ポートアイランドにて

草葉達也の神戸物語

ゲスト:比嘉リカルドさん
(デウソン神戸監督)

神戸観光大使の私としては、少々残念なことがあります。それは、日本におけるスポーツの歴史が神戸から始まっていることを、県外どころか神戸市民ですら知らない人が多いことです。ワールドカップやアジア杯などで日本中に感動を与え、ヨーロッパのビッグクラブに多くの選手を送り出しているサッカーもそのひとつ。旧居留地の東、今の東遊園地から神戸市役所のあたりまでがグランドになっていて、日本初のサッカーの試合が行われたとされています。それが神戸一中(神戸高校)などに受け継がれ、全国大会では優勝が当たり前とされていましたが、近年はサッカーの街とはほど遠く、どのチームも結果を残せませんでした。ところが昨年は滝川第二高校が全国大会初優勝。なでしこチームのレオネッサが日本選手権初優勝。Jリーグのヴィッセル神戸は成績こそ残せませんでしたが、最後の踏ん張りで奇跡の残留を決めました。そして、今回お会いした比嘉リカルドさん率いるFリーグ(日本フットサルリーグ)デウソン神戸も、堂々のリーグ準優勝を果たしました。
「準優勝おめでとうございます!」「ありがとうございます」「比嘉さんはブラジル生まれですよね?」「はいそうです。ブラジルのカンピーナスです」「子供の頃からフットサルを?」「そうですね。まぁ十二歳ぐらいまではサッカーもやっていましたが、そこからはフットサルです」「日本には?」「二十四歳の時に荷物まとめてやってきました」「最初はどこに?」「群馬県ですね。とにかく日本に行きたかったので、バイトをしながらトレーニングして頑張っていました」「その後、Jリーグのアルビレックス新潟に入って、フットサルではFリーグの名古屋オーシャンズで日本代表、ビーチサッカーでも日本代表になりましたよね。あとサッカーの日本代表になったら最高でしたね」「それが一番難しいですよ(笑) ラモスさんだけですね、全て日本代表になったのは」「へぇ〜ラモス凄いね。そんな比嘉さんがデウソン神戸に移籍してきたのが2008年。それまでの神戸のイメージはどうでしたか?」「とにかく綺麗な街という感じでしたね」「実際に住んでみてどうですか?」「予想以上に綺麗な街で住みやすいですね。友達も神戸に来たら綺麗な街だと言っています。思ったより綺麗なところがいっぱいあります」「生活はどうですか?」「神戸大好きです。住みやすいです。交通が混まないから(笑) 本当に便利で住みやすいです」
「よく神戸の街はブラジルに似ていると言われますが」「そうですね、似ているかもしれませんね。海も近いですし、山もありますし、そう言われれば似てますね(笑)」「食べ物は?」「ぎゅう大好きですよ」「ぎゅう? ああ牛ね。神戸牛ですか(笑) よく行く場所とか店はありますか?」「垂水のアウトレットとか、ハーバーランドとかは、よく行きますね。ブラジリアーノっていう店はよく行きますね。安くて美味しいですよ」「日本食は大丈夫?」「大丈夫です。好きです。でも日本に来た頃は寿司がダメで、生の魚を食べる習慣がなかったですから。一度、お世話になった方に御寿司を招待してもらったのですが、御寿司と一緒にジュース7本飲みました。ハハハハ・・・今は御寿司大好きですよ(笑)」「まだ三十二歳と若いですが、選手としては?」「無理ですね。膝がダメです。ちょと無理しすぎました。でも精一杯やってきたので幸せです」「監督1年目で準優勝でしたが」「半年ぐらいFリーグから離れて、子供たちの指導をして楽しいのですが、なんか寂しくて違うなって思っていました」「やっぱり勝負の世界で生きて来たからやね」「そうですね」「次はぜひ優勝を」「ありがとうございます!」
おじいさんとおばあさんが沖縄出身の日系三世。 とはいえ両親も日本人で、ブラジルの血は全く入ってないとか。「もしどこかに移っても神戸のことは一生忘れません」と言ってくれたのが嬉しかったです。頑張ってください!

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比嘉リカルド(ひがりかるど)

日本を代表するフットサルプレーヤー。神戸のポートアイランドに本拠地を置くデウソン神戸の監督として、チームを初の準優勝に導く。

くさば たつや

神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員
日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員
大阪大学文学部研究科


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目次 2011年4月号