神戸市医師会公開講座 くらしと健康 45

放置すると失明の恐れがある緑内障
定期的な検診で早期発見・早期治療を

―緑内障とはどんな病気ですか。
富森 目の中には房水という液体が循環しています。毛様体で産生された房水は瞳孔を経て隅角のシュレム管から排出され、眼球は一定の圧力(眼圧)に保たれています(図1)。この隅角からの排出が悪いと眼圧が上昇しますが、そのために視神経が圧迫され障害が生じる病気が緑内障です。緑内障は常に失明原因の上位にランクされ、40歳以上では20人に1人が緑内障といわれています。ちなみに、緑内障は白内障と同じような病気と思われている方もいらっしゃいますが、白内障は水晶体が濁る病気で、視神経が障害される緑内障とは全く異なる病気です。
 緑内障は主に4つのタイプがあり、それぞれ原因が違います。
〈原発性開放隅角緑内障〉隅角部がじょじょに詰まり眼圧が上昇、視神経が障害され視野が狭くなる(図2)。この緑内障には眼圧が正常でも視神経が障害される正常眼圧緑内障があり、日本人に比較的多く注意が必要。
〈原発性閉塞隅角緑内障〉隅角がもともと狭く、普段の眼圧は正常ですが隅角が急に閉塞し急激な眼圧上昇をきたす(図3)。放置すると数日で失明する。
〈続発性緑内障〉他の眼疾患や全身病、内服薬・点眼薬の使用により二次的に眼圧が上昇。
〈早発性発達緑内障〉生まれながらにして緑内障。先天的なもの。

―どのような症状がありますか。
富森 原発性開放隅角緑内障ではあまり自覚症状がありませんが、肩こりや目の疲れで眼科を受診し緑内障と診断されることがあります。原発性閉塞隅角緑内障では、急激な眼圧上昇により視力障害、眼痛、頭痛が強く、嘔吐したりもします。続発性緑内障では、眼圧が上昇しているかわからないので、ときどき眼科的チェックが必要です。早発性発達緑内障では、赤ちゃんの黒目が大きい(特に片眼だけ)、まぶしがるような時は検査が必要です。
―どのように治療するのでしょうか。
富森 基本的に高い眼圧を下げなくてなりません。眼圧が高くない正常眼圧緑内障の場合でも、さらに眼圧を下げる必要があります。現在、非常によく効く緑内障の点眼剤があります。原発性開放隅角緑内障では、まず点眼剤で眼圧をコントロールします。2~3剤の点眼剤を使用しても眼圧のコントロールが悪ければ、手術が必要となることが多いです。原発性閉塞隅角緑内障の場合、急激な眼圧上昇を内服薬や点滴、点眼剤で抑え、落ち着いたところで手術をして治療します。続発性緑内障では、他の眼疾患や全身病の治療を十分にしなければなりませんが、眼圧上昇をきたしやすい内服薬や点眼薬(特にステロイドホルモン剤)を中止する必要があります。早発性発達緑内障は生まれつき隅角が未発達なため、手術が必要です。

―緑内障を予防するにはどうしたらよいのでしょうか。
富森 緑内障の多くは自覚症状がないままに進行していき、視神経の障害は進行すると元に戻りませんので、何より早期発見、早期治療が重要です。症状がなくても年に一度は眼科専門医で目の健康診断を受けるようにしましょう。また、ステロイド剤など眼圧を上昇させる薬を継続して使用する場合は、定期的に眼圧を測ると良いでしょう。

20110406901

20110406902

20110406801

富森 征一郎 先生

神戸市医師会監事
富森眼科院長


ページのトップへ

目次 2011年4月号