新社会人へ贈る言葉 「自分探し」をやめることから

社会人になった皆さん、おめでとう。私は新聞社の入社式でも、次の話だけはするつもりです。
自分探しはやめなさい、ということです。「この仕事は自分向きではないかもしれない」だとか、「本当にしたい仕事は他にありそうな気がする」だとか、考えないこと。今、自分が立っているフィールドで精いっぱい力を発揮すること。本当の適性などというものは、その積み重ねの中でしか見つからないし、人ととしての成長もしかりです。―と、そんな話です。
前サッカー日本代表監督の岡田武史さんが言っていました。「過去の失敗を悔いて、あるいは先行きを心配して、今に集中できない。そんなことだけはしちゃいけない」と。
神戸女学院大学の内田樹教授も「『適性と天職』幻想にとらわれているから、キャリアをまっとうできなくなってしまう」と書いています。
縁あって巡り合った会社で、職場で、まずは自分の力を出し尽くす。与えられた仕事を、その仕事の中身を変えてしまうほどにやり尽くす。そう腹をくくってさえいれば、未来は明るく開けることでしょう。
皆さん、どうか寸刻を楽しんでください。

高士 薫

神戸新聞社代表取締役社長


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目次 2011年4月号