安全、快適な市民の足 開業30年を迎えた ポートライナー

夢の無人運転電車

1981年2月5日、ゆっくり走り出したその電車は、未来の夢を現実に変えた。世界初の無人自動運転での営業を実現したポートライナーは、地下鉄とバスの中間の輸送力を持つ新交通システムのさきがけとして開業し今年で30年。今や神戸に欠かせない重要な地域交通として親しまれている。
ポートアイランドの造成がはじまったのは1966年。その15年後の完成時にはさまざまな都市機能を有するという計画上、最適な輸送手段の検討が1971年からおこなわれた。まだ地方では蒸気機関車が走っていた時代、大胆にも神戸が選択したのは無人運転の新交通システムだった。
新交通システムが選ばれた理由は、つまりそのメリットそのものである。まず安全性。専用高架を走るため、交通事故や渋滞誘発のおそれがない。さらに乗り心地や定時運転といった快適性、利便性のほか、低公害性も大きなメリットだ。ゴムタイヤゆえ騒音や振動が少なく、電気で走るから排気ガスも出ない。コスト面や輸送効率での経済性も高く評価された。コンピューターの高度利用により運転や駅業務の無人化を実現、運行・運営の省力化もなされた。

人にやさしい新型車両

ポートライナーと言えばこれまでクリーム色に緑のラインの電車がおなじみだったが、最近リニューアルされた。新車両の2000系は2006年の神戸空港方面への延伸時に導入され、一昨年11月に8000系と完全に置き換えられた。
2000系は「〝優しい〟車両をコンセプトに、床面を下げホームとの段差を解消、車いすスペースの全車両設置などバリアフリーに配慮しています」と神戸新交通車両課長の片平博之さん。ほかにもドア部分の床面や優先座席を黄色系にして視認性を良くし、手すり表面をやわらかい素材でコートするなど細やかな配慮が嬉しい。
また、足回り部分の改善で乗り心地が良くなり、ワイドボディ化で空間も拡大し定員も増した。もちろん、安全性も向上されている。

この7月から駅名を変更

ポートアイランド地域は空港開港、大学の開校、医療産業都市構想などで発展し、それにともないポートライナーの重要性も高まっている。そこで、より利便性を高めるためダイヤが改正される。まず、大学の新学期などで混雑が見込まれる年度初めに向け、3月26日の改正では朝ラッシュ時の運転間隔を短縮し、神戸空港方面へ増便。
7月1日には中央市民病院の移転にともない、神戸空港方面へ平日72本も増発し通院の足を確保。また、同時に駅名の変更がおこなわれる。これまでの「市民病院前」は地名の「みなとじま」に、中央市民病院が移転してくる「先端医療センター前」は「医療センター(市民病院前)」に、「ポートアイランド南」は次世代スーパーコンピューター施設にちなみ「京コンピュータ前」にそれぞれ変更される。
「ポートライナーは開業以来人身事故がゼロの安全な乗り物です。今後もぜひご利用ください」と神戸新交通総務係長の保利篤さん。安心、快適、便利なポートライナーに乗って、神戸の港や街を眺めてみてはいかがだろうか。

運行管理、電力管理などを一元的に管理する総合管理システム

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目次 2011年4月号