「経済活動の公正性を支える」

仲尾 彰記 さん 日本公認会計士協会兵庫会会長

 

高度な専門知識と豊富な経験で、刻々と変化する企業や経済社会の公正性を支える公認会計士。
多岐にわたるその仕事について、日本公認会計士協会兵庫会会長、仲尾彰記さんにお話を伺いました。

 

監査と会計の専門家

 

―日本公認会計士協会兵庫会の位置づけとは。
仲尾 日本公認会計士協会は東京にその本部機能があり、全国に支部として13の地域会を置いています。近畿地方では、大阪・奈良・和歌山の近畿会、京都・滋賀の京滋会、そして兵庫県の兵庫会です。兵庫会には現在(2010年12月1日)、会員・準会員併せて660人が所属しています。そのうち、正会員の公認会計士は480人、国家試験合格者等の準会員は180人です。

 

―公認会計士の仕事とは。
仲尾 公認会計士法の第一条には、公認会計士は「監査及び会計の専門家」と書かれています。公認会計士は、その軸足をどこに置くかで、行う業務が大きく二つに分けられます。
 一つは監査を主たる業務とする場合。もう一つは税務やコンサルティングを主たる業務とする場合です。
 上場会社や会社法上の大会社、学校法人などの財務書類に対して信頼性を付与するのが監査です。監査業務は、個人の公認会計士が行う場合もありますが、上場企業等の監査は監査法人を設立して対応する場合がほとんどです。
 一方、監査法人等から独立して個人事務所を持つ公認会計士は、税務やコンサルティングが主な業務になります。公認会計士は、税理士として登録すれば、税務の仕事も行うことができるのです。

 

―監査法人は公認会計士でなければ設立できないのですね。監査法人は企業のコンサルティングも行うのですか?
仲尾 監査法人は企業などの財務諸表について「独立した第三者として」監査しなければなりません。監査を行っている企業に対してコンサルティング業務を提供することが全てが禁止されている訳ではありませんが、内容によっては独立性に抵触する場合もありますので、そのような業務を行うことはできません。

 

―企業などの財務諸表に影響する意志決定等に直接関わることはできないんですね。
仲尾 はい。財務諸表は1年間の企業活動の結果を表したものです。その中には将来情報も含まれています。その財務諸表が適正であることを担保するのが監査の役割です。それによって企業活動の公正性を支え、一般投資家や債権者を保護することになるのです。

 

―公認会計士と地域との関わりについては。
仲尾 兵庫県、尼崎市、西宮市、神戸市、姫路市の一県四市について、公認会計士が「包括外部監査」を担当しています。
 これは、企業などの監査とは異なり、自治体が作成している決算書の適正性について監査するのではありません。病院の経営や公園の運営、その他、県や市が行っている行政サービスが法令や条例等に抵触していないか、さらに有効性、効率性の視点から改善の余地はないかなど、指導的な立場から監査を行い、県や市、議会に報告します。地域との関わりという点では、この「包括外部監査」を挙げることができます。

 

公認会計士を目指す人たちへ

 

―業務内容が多岐にわたり、やりがいのある仕事だと思いますが、公認会計士になるには実務経験も要求されますね。
仲尾 そうですね。公認会計士になるには国家試験に合格しただけでは足りないんです。その後、2年以上の実務経験が必要で、さらに実務補習といった座学も受けなければなりません。その上で最終試験を受け、合格して初めて公認会計士として登録ができるのです。公認会計士となった後においても継続的な研修制度によって、公認会計士に必要なスキルを身につけていってもらわなければなりません。

 

―公認会計士を目指している人へアドバイスをお願いします。
仲尾 公認会計士には、専門知識・技術はもちろんですが、さらに明確な「使命感」と強い「倫理観」が求められます。ですから、これから公認会計士を目指す人たちには、ただ漠然と、公認会計士になれたらいいなというのではなく、社会的責任を果たすんだという強い思いを持ってほしいですね。

 

仲尾 彰記(なかお・あきのり)

日本公認会計士協会兵庫会会長
昭和28年12月12日生まれ。関西学院大学経済学部卒業。昭和58年監査法人サンワ東京丸の内事務所大阪支社(現:有限責任監査法人トーマツ)入所。平成8年~神戸事務所パートナー。平成16年~平成22年、兵庫会副会長。平成16年~日本公認会計士協会理事。平成22年6月、兵庫会会長就任、現在に至る。大阪府出身


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目次 2011年2月号