絢爛豪華な装束に身を包んだ天女の舞

[神戸百店会NEWS]北野ガーデンが10周年 幽玄の宴 ~能楽の夕べ~

 本物志向のリピーター客に人気の高いレストラン「北野ガーデン」が、開業から10周年を迎えた。11月24日、記念イベントとして、「幽玄の宴~能楽の夕べ~」を開催。
 北野ガーデンの敷地はもともと邸宅の跡地で、美しい日本庭園は当時の光景を今に伝えている。本来、能楽は本格的な能楽堂で演舞されてきたが、今回は芝生が舞台という試みに。ライトアップされた庭園は、緑がよく映え美しい舞台に。
 演目「羽衣」は、天女が月宮の様子を表す舞を披露し、やがて富士山の彼方へ舞い上がり、霞にまぎれて天空へと帰るというあらすじ。天女を舞うのは、シテ方観世流の上田貴弘さん。幻想的な光の中、絢爛豪華な能装束に身を包んだ天女が舞う姿は、現世からかけ離れた世界へ観客を誘う。
 月宮とは、天女がすむ月の都にある宮殿。北野ガーデンの演出はまさに月宮と呼ぶに相応しい。夢まぼろしの世界であったのか、観客も錯覚を見ていたかのような感覚にとらわれた。

ライトアップされた芝生の舞台。えも言われぬ趣きがある

ライトアップされた芝生の舞台。えも言われぬ趣きがある

観客を夢まぼろしの世界へ誘う

観客を夢まぼろしの世界へ誘う


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目次 2011年1月号