暮らしやすい住吉をめざして

一般財団法人 住吉学園 理事長
中島 愼賀さん

100年以上むかし、村のお年寄りに敬意を表して始まった「尚歯会」。主催する住吉学園理事長・中島さんにこの会について、また暮らしやすさで人気上昇中の住吉地区についてお聞きした。

―東灘・住吉地区での住吉学園の役目は。教育機関の運営もされているのですか。
中島 昭和25年、御影町、魚崎町、本山村、本庄村、住吉村が神戸市東灘区に編入されることになりました。他の町村は通例通り神戸市に土地等財産を渡し財産区となりましたが、住吉村だけは財産を全部引き継ぐことを決定しました。どこが引き継ぐかについては、財団法人住吉学園が最も適しているとされ引き受けることになりました。当財団の前身は大正7年に設立された財団法人私立睦実践女学校です。昭和19年、住吉学園と名称変更し、併せて住吉女子商業学校を開校しました。昭和23年3月の同校閉校後、住吉学園は教育機関の運営は行っていませんが、名称だけが残っているのです。
しかし、別法人を設立し、住吉学園幼稚園とむつみ保育園をバックアップしています。

―教育施設への助成や奨学金などで教育には貢献されていますね。
中島 主に、経済的な事情で高校進学が困難な子供たちへのバックアップとして奨学金を出しています。

―元の住吉村、住吉学園の土地は非常に広いですね。
中島 昔は住吉駅辺りから山の方を見ると、見えるのはほとんどが住吉学園の土地だと言われていたそうです。それはちょっと大げさですが、日本第一号のゴルフ場「神戸ゴルフ倶楽部」も住所は灘区六甲山町になっていますが、土地の一部は住吉学園のものを借りていただいていますし、甲南病院などもそうです。

―住吉地区に住みたいという人が今も多いのですが、人気の理由はどういうところにあるのでしょう。
中島 色々ありますがまず、山があり海があり、気候が良いことでしょうか。大阪、三宮に近く、アクセスが良いこと。震災後一旦減少した人口がまた増えつつあり、更に嬉しいことに、教育環境に恵まれているからでしょうか、子どもの数が増えてきています。

―今月住吉川沿いに完成したリバーサイドフォーラムには公共施設もできるそうですね。
中島 東灘図書館が本山から移転してきます。中央図書館に次いで、神戸市で2番目に大きな図書館になります。9月23日には隣接のだんじり資料館も同時にオープンします。

―東灘区といえば、だんじり祭ですね。
中島 東灘には31台のだんじりがあり、東灘だんじり会が中心になって保存、振興しています。市政60周年の折にはほぼ全部のだんじりが出ました。毎年5月4日には住吉7台、庄内4台のだんじりが町内を回り、本住吉神社にお参りします。岸和田だんじり祭のような勇壮なものではありませんが、お囃子に合わせてゆっくり優雅、且つ厳かなお祭です。

―住吉学園主催で毎年開催されている「尚歯会」とは。
中島 「尚」は敬う、「歯」は年齢を意味しています。明治44年12月、当時の武庫郡住吉村で村民のために始めた数え齢70歳以上になるお年寄りのための集いでした。現在は住吉学園が主催し、東灘区の住吉地区にお住まいの数え齢70歳以上の方をご招待して毎年開催しています。当財団が引き継いだ昭和25年当時は370名ほどおられたそうですが、今年は70歳になられた方だけでも500名ほど、全体では約8千300名おられます。私も昨年から参加できる齢になりました(笑)。

―今年は100回記念大会だそうですね。
中島 今年で103年目ですが、第二次世界大戦時に2回と平成7年の阪神・淡路大震災で休会していますので今年が100回記念です。「つないだ絆 つづく百年」と題して9月18日に神戸ポートアイランドホールで開催予定です。約3千人が参加を希望されています。毎年恒例の市立住吉小学校合唱部、住吉中学校吹奏楽部の演奏、漫才を楽しんでいただき、100回記念として八代亜紀と石川さゆりのスペシャルコンサートも開催します。また、今年百歳になられた参加者は子供さん、お孫さん、ひ孫さんなどとご一緒に舞台に上がっていただき、当日参加できない方は画面に映し出すなど趣向を凝らしています。

―「つないだ絆 つづく百年」。壮大なタイトルですね。
中島 100年続いた尚歯会が、この先100年続き、またその先100年続き、住吉地区がずっと豊かで繁栄するようにと願いを込めています。
―今後ますます住吉のために力を発揮して下さい。

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住吉学園の土地は非常に広く、日本第一号のゴルフ場「神戸ゴルフ倶楽部」や甲南病院にも、住吉学園が土地の一部を提供している

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地域住民や行政からの強い要望を受け、住吉学園が推進母体となって開園した、住吉むつみ保育園

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長寿を祝い、70才以上の高齢者を住吉小学校に招待する敬老会「尚歯会」。記念品贈呈、コンサート公演などを行う

長寿を祝い、70才以上の高齢者を住吉小学校に招待する敬老会「尚歯会」。記念品贈呈、コンサート公演などを行う

郷土を理解し未来に伝えるための活動を、文化・歴史的な面から行う「住吉歴史資料館」

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2013年4月末には、彫刻や装飾が新調された呉田区のだんじりが完成し、竣工披露が行われた

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住吉川リバーサイドフォーラムの文化施設棟。市立東灘図書館が移転し、9月末には隣接のだんじり資料館もオープンの予定

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鈴木常任理事(左)、竹田専務理事(右)とともに

鈴木常任理事(左)、竹田専務理事(右)とともに

一般財団法人 住吉学園の沿革
1918年6月   財団法人私立睦実践女学校設立認可
1944年2月   財団法人住吉学園認可 (名称変更)
1948年3月   「寄附行為」改正認可
1949年7月   住吉会館 開館
1951年4月   育英資金創設 (奨学金制度開始)
1965年4月   住吉学園幼稚園 開園
1968年12月   「財団法人住吉学園誌」発刊
1977年~ 六甲山植林事業  本格化
1982年1月   本館建物建替 竣工
1995年1月17日   阪神淡路大震災 発生
被災住民生活復興支援に取組む
1996年3月~  国交省グリーンベルト事業に協力開始
2001年3月   住吉歴史資料館 竣工
2009年4月   旧東灘区役所跡地取得
(仮)「住吉だんじり資料館」設置を計画
2011年10月   社会福祉法人設立 保育園設置( 平成25年4月開園目標) 計画推進
2013年4月   一般財団法人住吉学園設立
住吉むつみ保育園 開園
2013年9月   尚歯会100回記念大会開催

 

尚歯会(しょうしかい)とは、神戸市東灘区住吉町内に在住する数え齢70歳以上の方々をお招きし、敬老と長寿を祝い、健康で毎日お過ごしいただく事を祈念し、心ばかしの御祝い会を行う事です。この尚歯会は、毎年9月第3土曜日に実施してまいりましたが、今年は103周年、第100回を迎える記念の年を迎え、場所をポートアイランドホールに移し、参加者約4000名を招待し盛大に開催されます。

 

中島 愼賀(なかじま ちかしげ)
一般財団法人 住吉学園 理事長

神戸市東灘区生まれ。1966年、大阪工業大学電気工学科卒業。1993年より、電気工事業を自営。財団法人 住吉学園の理事、学校法人 住吉学園幼稚園の監事を経て、2011年、財団法人 住吉学園の理事長に就任し、現在に至る。2011年より、学校法人 住吉学園幼稚園の理事長、2012年より社会福祉法人 住吉むつみ保育園の理事長。


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目次 2013年9月号