人間関係をデザインする

テイスト&デザインを科学する

 

エデュテ株式会社 取締役
エマジェネティックス ジャパン 代表 中尾信也さん

 

―エマジェネティックス(EG)とは、どういった考えでしょうか。
中尾 初めて会った人と「馬が合うな」「苦手だな」などと感じることがあります。その理由を脳科学的に解明していったものがEGです。ハーバード大学のゲイル・ブラウニング博士が開発しました。
 人の違い、特技、得手不得手は、遺伝的な要素50%と経験50%です。持って生まれたDNAと、いろいろな経験の積み重ねで自分自身が形成されます。そのプロセスを科学的に解析して4タイプに大別し、脳の中身が見えるようにした技術がプロファイリングです(図1)。これを企業や教育現場で利用して人間関係をデザインしようというものです。

 

―どんなところで取り入れられていますか。
中尾 欧米では、マイクロソフトやインテルなどが取り入れています。日本には3年前に持ち込み、事業化して2年目です。現在、大手企業に取り入れられつつあります。
 学校ではある私立中学で取り入れています。例えば、青や緑の数値が高い左脳型、赤と黄色の数値が高い右脳型では、それぞれ授業での生徒のメモの取り方に違いがあります。文章で表現する左脳型と図式で表現する右脳型ですね。教えるほうもそれに合わせて授業で能力を伸ばそうという考え方です。
 企業では、プレゼンテーションや営業スキルを相手の脳のタイプによって変えると成功します。数字にシビアな青の脳、サポートや安定感を重視する緑の脳、他人に勧められるとその気になる赤の脳、楽しそうなことに食い付く黄色の脳。例えば、黄色の脳の人に細かい数字が並んだ提案書を持って行っても、「おもしろくない」と拒否されてしまいます。スーパーやホテルでは顧客サービスに利用しています。質問の仕方によってお客さんの脳のタイプを見極めて対応すれば、満足してもらえるからです。社内なら、上司が部下のタイプに合わせた的確な指示を出せば、コミュニケーションがうまく取れます。

 

―経営者に向くタイプはあるのですか。
中尾 ディテール型が得意とする、細かい部分にこだわるマイクロマネジメントで大きな成功を収めた企業もありますが、圧倒的に企業の番頭さんタイプが多いです。経営難に陥った老舗企業で幹部のプロファイルを調べると、社長以下全て緑に埋め尽くされていることが分かったことがありました。黄色の脳の人が入っても、社風が合わないから辞めていくのでしょう。これでは時代の流れに沿った新戦略も取り入れにくくなります。

 

―バランスを取って、足りない部分を補え合えば会社がうまくいくということですね。
中尾 4タイプが均等に居れば補い合っていけるはずです。ところが、同じタイプ同士は居心地が良いものですが、違うタイプは理解できずバッティングが起きやすいんです。例えば、黄色特性を持った人が「これ普通やん」と思っていることが、緑特性を持った人にとって普通じゃない。この違いを科学的に理解して、コミュニケーションを取っていけば、会社がうまく回ります。

 

―EGの事業化は、中尾さん自身の昔からの教育への関心の高さがあったからですか。
中尾 日本の教育レベルは世界でもトップクラスでした。しかし、ゆとり教育の導入でレベルが下がり、それに伴って国力が衰えてきたように思います。逆に、北欧などでは教育レベルが上がり、国が良くなっています。教育の根底に理念がなければ、国は潤わないという信念を持って教育事業に携わってきたのですが…、そこで感じたのは大人の教育の必要性。子どもの教育をする大人をしっかり教育しなければならないということでした。

 

―具体的にはどのようにプロファイルを作成するのですか。
中尾 100の質問に答え、自分のEGプロファイルを作ります。ホームページからでも可能で簡単ですが、理解しなければ意味がありませんから、EG公認アソシエイトの研修を受けた人が対応します。

 

―どういう人にお勧めしたいですか。
中尾 企業や教育現場はもちろん、パートナーとの人間関係、親子関係など全てのシーンで取り入れることをお勧めします。夫婦や親子でもプロファイルが違うことを理解すれば、喧嘩が減り家庭内のストレスも減ります。全ての人にEGを! 生き方の質を上げていくために有益なものです。

 

http://www.egjapan.net/

 

ゲイル・ブラウニング博士

ゲイル・ブラウニング博士

 

20101102602

 

中尾信也

 
エデュテ株式会社 取締役、エマジェネティックス ジャパン代表 
米国ルイジアナ州立大学卒業。2007年にエマジェネティックスのアソシエイト資格を取得し同事業の日本における代表に就任。企業文化にEG理論を落とし込む手腕は高く評価されている


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目次 2010年11月号