自然に囲まれた工場でビールが作られている

自然から生まれた原料の香り、味わい 真剣勝負のビールづくり現場

テイスト&デザインを科学する〈美味しさを創る職人たち〉

 

キリンビール神戸工場 醸造担当部長 宮﨑知宏さん

 

醸造担当者が製品を目、鼻、舌で必ずチェック

 

―神戸工場では、どの製品をメインで製造されていますか。
宮﨑 ビールは「キリンラガービール」と「キリン一番搾り生ビール」です。ラガービールはこの春、ブラッシュアップを実施し、うまさに磨きがかかりました。ドイツ産アロマホップの爽やかな香りと、コクと飲みごたえのある味わいが特長です。一番搾りは麦芽を100%使用し、麦芽のうまみを維持しながらも、すっきりした味わいを実現しました。「麒麟淡麗〈生〉」は本格的なスタンダード発泡酒で、旨さとキリッとしたのど越し、「淡麗グリーンラベル」は爽快な旨さがありながら糖質70%オフという、カロリーが気になる方にも嬉しい商品です。そして新ジャンルの「のどごし〈生〉」はすっきり飲めてしっかり旨いと、好評をいただいています。

 

―キリンビールといえば「しっかりした味わい」が伝統です。味づくりについてどんな点に一番気を遣いますか?
宮﨑 各製品ごとにコンセプトがありますから、それに合わせて「香りと味のバランス」を特に重要視しています。香りにはホップの香りと、麦汁が発酵する段階で酵母から醸し出される香りなどがあり、味にはホップや麦芽など原料由来の旨味や苦み、渋みなどがあります。それらのバランスが非常に重要です。
 造り込む現場の人間は、原料を手に取り、まず外観の品質をチェック、ビールの命でもある水は、必ず口にふくみ、評価を怠りません。さらに醸造工程に入ってからはプロセスの管理はもちろん、外観だけでなく舌で味を確認します。微妙な原料や工程の変化が、味づくりに影響を及ぼしますから、醸造担当者は、定期的に「見る、嗅ぐ、味わう」などの官能訓練を受けており、合格した人間だけが担当についています。またさまざまな味に出会うことで、味をみる鍛錬を積むことも忘れません。機械である程度の製品評価はできますが、ビールの味わいや旨みに関しては、最後は人間にしかチェックできませんから。

 

ホップの香りが華やかな期間限定商品が登場

 

―この時期は「一番搾り とれたてホップ生ビール」が数量限定発売されますね。
宮﨑 岩手県遠野産のホップを使用しており、ホップの香りが非常に華やかで、一番搾りの澄み切った旨味に、瑞々しく華やかな香りがプラスされます。ホップが摘みたてのこの時期だけの限定でつくっています。ホップは一度冷凍したものを粉砕し、手作業で投入しているのです。11月に発売ですが、期待して待っていただいているお客様も多く、香りが良いので、ファンも多いんです。

 

―キリンビール神戸工場は、自然の中にある工場です。環境への取り組みは、どんな思いから始められたものなのですか。
宮﨑 お客様に美味しいビールを飲んでいただくためには、良質な原料が必要になってきます。原料は自然からできるものですから、やはり自然環境を大切にしなければなりません。工場内には、多数の生物が生息するビオトープが作られ、また工場の従業員たちは実際に、近くにある水源の森での植樹や、下草刈りなどの活動をおこなっています。
 自然がいっぱいの神戸工場は皆さんに楽しく工場見学をしていただけます。来ていただいて、製造工程をしっかり見ていただきたいですし、できたてのおいしいビールをぜひご試飲ください。お車の方や未成年の方にはソフトドリンクなどキリンの人気商品を試飲していただけます。
 1997年の工場オープン以来、今年の6月には見学者400万人を突破しました。もっと多くの方々に、ビール造りや品質へのこだわり、ビールの美味しさや楽しさを知っていただきたいと思います。

 

宮﨑知宏さん

宮﨑知宏さん

 

ビールに華やかな香りをもたらすホップ

ビールに華やかな香りをもたらすホップ

 

ビールの主原料のひとつ・麦芽

ビールの主原料のひとつ・麦芽

 

ビール仕込み釜

ビール仕込み釜

 

11月7日より数量限定発売される 「一番搾り とれたてホップ生ビール」

11月7日より数量限定発売される
「一番搾り とれたてホップ生ビール」

 

キリンビール神戸工場

※工場見学は事前予約制、無料です
☎078-986-8001(9:00~17:00)月曜休
神戸市北区赤松台2-1-1
http://www.kirin.co.jp/beerpark-kobe


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目次 2010年11月号