良い素材を使い「丁寧に作る」おいしいチーズ

テイスト&デザインを科学する〈美味しさを創る職人たち〉

 

六甲バター株式会社稲美工場長 三木 卓さん

 

数種類のナチュラルチーズをブレンドして日本人好みの味に

 

―神紀元前に西アジアで発祥しヨーロッパで発展したチーズが、日本ではプロセスチーズとしてベビーチーズ、スライスチーズ、とろけるチーズなど、日本人に合う味わいとなって、一気に家庭に広まりました。日本人の好みに合わせたチーズの味は、どのようにして生み出されたのでしょうか。
三木 当社のチーズ製造は、オーストラリアを中心に、ニュージーランド、北海道などで作られたナチュラルチーズを使用しています。チーズの種類も、チェダーチーズや、ゴーダ、クリームチーズなど、さまざまなチーズをブレンドします。チーズをブレンドし、加熱溶融し、乳化と呼ばれる工程をへて、「プロセスチーズ」と呼ばれるチーズができますが、これがスライスチーズやベビーチーズなどになり、現在日本で一般的に食べられているチーズです。味だけでなく、色、香りのちがうそれぞれの産地のチーズ、また種類や熟成度合いの違うチーズをうまくブレンドし、日本人が好む「ホクホクとしてマイルドで、大人しい」味わいのチーズ、いわばジャパン・スペック(日本仕様)の開発に着手したのが、約50年前でした。ブレンド具合や熟成具合などにおいての相当な研究と試行錯誤、また海外のチーズ製造地に、こんな味わいのチーズを作ってほしい、こんな管理をしてほしいといった要望を出し、双方の理解のもと一定の材料を輸入するために多大な努力があったと思います。

 

「Q・B・B」の言葉に込められた願い

 

―六甲バターのブランド「Q・B・B」の製品が、もっとも自慢できる点はどんな点でしょうか。
三木 私どもは食品工業ですから、一般の日本の方に、本当に「おいしい」と思っていただける、良い品質の製品を、ていねいに作らせていただいています。ていねいに、という精神は、私はとても大切にしていますが、手を抜かないということです。
 また、当社の先代・塚本会長は「あやしきものは使うな」ということをモットーにしていました。昔の食品メーカーでは、防腐剤などの添加物をいろいろ使っていた時期がありましたが、塚本会長は、そういう疑わしいと思われる材料は一切使うな、と。当社では、安全・安心への取り組みは、かなり前からおこなわれてきているのです。添加物を使わない代わりに、技術面でカバーしようと、殺菌・滅菌技術の向上に研究を重ねました。そして、チーズを包む包装の材料、チーズを包み、密封するときの技術、そういった包装技術も、チーズをおいしく、安全に製造・販売するための隠れた衛生技術なのです。
 そしてやはりおいしいものを作ろうと思ったら、良い材料を使わなくてはいけません。悪い原材料から良いものを作り出す技術はないのです。QBBチーズの原材料は、オーストラリアのナチュラルチーズが中心ですが、このオーストラリアの乳牛は、広大な農場に放し飼いにされのびのびと育っています。そういった、良い原材料を使い、その素材の良さを殺さずに良い品質のものを作る技術、それがブランド名「QBB(Quality’s Best & Beautiful―最高の品質と最高のおいしさ)」につながっています。

 

徹底した衛生管理のもとで製造される

徹底した衛生管理のもとで製造される

 

広大な敷地内で家庭用・業務用の約300種類のチーズが作られている

広大な敷地内で家庭用・業務用の約300種類のチーズが作られている

 

チーズを細切れにして ブレンドする

チーズを細切れにして
ブレンドする

 

原材料となるナチュラルチーズの かたまり

原材料となるナチュラルチーズの
かたまり

 

QBBの製品

QBBの製品

 

熱を入れ、乳化の工程を経て プロセスチーズに

熱を入れ、乳化の工程を経て
プロセスチーズに

 

どろどろに溶けたあついままのチーズをアルミカップに充填する。 その後ふたをし、急冷却して製品化される。

どろどろに溶けたあついままのチーズをアルミカップに充填する。
その後ふたをし、急冷却して製品化される。


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目次 2010年11月号