西川シェフがデザインする「パンと、暮らし」

テイスト&デザインを科学する〈美味しさを創る職人たち〉

 

「パンと暮らし サ・マーシュ」 西川功晃さん

 

 人気フレンチ料理店「コム・シノワ」のシェフであり、常に新しいパンの味わいを生み出してきた日本を代表するパン職人・西川功晃さんが、独立して北野に「パンと暮らし サ・マーシュ」をオープンした。
 パールストリートに面した小さなアーチをくぐり、小道をゆくとパンの香りが漂い、店内には焼きたてのパンが並ぶ。商品棚の前には、バーがたち、お客さんはバーの手前からスタッフに指示してパンを選ぶという方式をとっている。スタッフから本日のおすすめのパンや、焼きたてのもの、アレルギー情報をはじめパンの材料などの説明を受け、対話しながらパンを選ぶことができ、自分が食べたいものはもちろん、よりおいしいパンに出会う確率も高くなるという、嬉しいシステムともいえる。
 西川さんとマダムは、独立した店では「この地に住んでいる人たちのための食べ物を作りたい」と考えた。観光客が押し寄せる有名店ではなく、ここに住んでいる人々のパン屋さんでありたいという願いから、オープンの告知も、ひっそりと地域にのみおこなわれた。といっても、ファンのネットワークや口コミによってすぐに情報は広まり、客足が途絶えることははないが、それとは別に、おつかいに食パンを買いにくる近所の子どもや、その日のパンを毎日買いにくる住民など、地域のベーカリーとしての役割も果たしている。それにしても、西川の焼きたてパンを毎日食べられるとは、北野という土地はやはり、ぜいたくな土地である。
 「サ・マーシュ」とはフランス語で、レストランの厨房でオーダーが入り、さあ作ろうというときにかかる一種の掛け声なのだとか。パンのほかにも、「パンにつながる暮らしを提案する」ために、オリーブオイル、ドライトマト、生乳など西川がおすすめする「西川セレクト」の食材コーナーもある。
 人間が生きるための糧であるパン。その原点に還り、パン職人・西川が提案する「パンのある暮らし」に出会うことができる。

 

西川功晃さんとマダム

西川功晃さんとマダム

 

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お客さんはバーの手前からパンを選び、 スタッフがトレイに乗せるシステム

お客さんはバーの手前からパンを選び、
スタッフがトレイに乗せるシステム

 

自家製ジャム

自家製ジャム

 

外のベンチではできたてパンをいただくことも

外のベンチではできたてパンをいただくことも

 

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サ・マーシュ

神戸市中央区山本通3-1-3
078-763-1111
8:00~19:00 水曜休


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目次 2010年11月号