耳よりKOBE 生田神社・加藤隆久宮司の鳩杖拝受と長老を600人が祝う

 神戸芸術文化会議議長をはじめ地域文化の発展に大きな功績を残してきた生田神社の加藤隆久宮司。神職としても阪神・淡路大震災からの復興や、二十五年に一度の式年造替事業を成し遂げるなど、その功績は計り知れない。
 本年、神社本庁からこれまでの長年の功績を称えられ、鳩杖と長老の称号が贈られた。鳩杖は、かつて昭和天皇が吉田茂の米寿の祝いに鳩杖を下賜されるなど、宮中の儀式とされてきた。また長老は、斯界最高の栄誉とされており、全国の神職の中でも10名にしか贈られていない。なお、この長老職は、加藤宮司の父と兄につぎ、三代にわたって贈られるという快挙でもあった。
 8月28日、神戸ポートピアホテルにて祝う会が開催され、神社本庁総長、神宮大宮司らをはじめ約600人がお祝いに訪れた。壇上、加藤宮司は、「歳を重ねると、話が長くなる。だから多くを語らず、御礼の言葉を拙詠をもって言葉に替えさせていただきたい」と、畳一畳分はあろうかと思われる用紙に、書家でもある奥様がその歌をしたためた。歌の内容を慨訳すると、「喜寿では鳩杖を賜るにはもったいない。しかし、鳩杖をつけば、今日集まってくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいになる。この名誉は生田の神の恵みであります。今日から老骨に鞭を打ち、友人と交誼を重ね、生田の神を護り、人と人のご縁を尊び、生きていきたい」と力強く読み上げた。いかにも加藤宮司らしい感謝の言葉に、会場からは笑いと共に、大きな拍手が起こった。

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生田雅楽会による舞楽「蘭陵王」

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御礼の言葉を歌にして、奥様がしたためた

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女優・鳳蘭さんから花束を贈られた

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各界から600名もの参加者がつめかけた

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生田神社崇敬会・貝原俊民会長

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親族一同からバースデーケーキがプレゼント

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目次 2010年10月号