枯木神社にはご神体として沈香木がお祀りされている

枯木神社

目の前は香木伝来の浜 伝説も香る静かなお社

 日本書紀巻第二十二には、淡路島ゆかりの香木に関する伝説が残っている。
 推古天皇の時代、西暦595年のこと。海の向こうから流木が海岸へと流れ着いた。とある漁師がそれを拾い、持ち帰って薪代わりにかまどに入れて火をつけた。すると、煙から得も言われぬ気品ある香りが立ちこめてきた。漁師は驚いて、これはすばらしい名木であるに違いないと朝廷に献上したところとても喜ばれ、その木で聖徳太子が観音像を作ったという。
 この香木は沈水香木(沈香木)で、東南アジアから流れ着いたのであろう。これぞまさに日本にはじめて伝来した香木で、なるほど、淡路島でお香の生産が栄えたのは必然なのかもしれない。
 その場所はお香生産の中心地、江井から北へ約6キロの淡路市尾崎の浜辺に鎮座する枯木神社附近といわれている。枯木神社のご神体は香木。漂着した細長い香木を浦人が切ろうとしたところ障りがおきたので、恐れた浦人たちが沖へ流したが、何度も戻ってくるのでここにお祀りしたという言い伝えも残っているそうだ。

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枯木神社

淡路市尾崎
三宮・舞子より高速バスで岩屋または郡家のりかえ、淡路交通バスで枯木下車すぐ北淡ICより車で約7分


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目次 2010年10月号