[対談]南京町×有馬温泉 次の世代から、新たな交流を!

南京町商店街振興組合青年部長
栄和飯店
李 宏基さん

有馬温泉観光協会青年部リーダー
ねぎや陵楓閣
増田 陽平さん

神戸の2大観光スポット・有馬温泉と南京町。国内のみならずアジアを中心に海外からの観光客も増えている。有馬温泉で宿泊された方は、南京町の情報を尋ねるケースが多いのだとか。そこで有馬温泉と南京町の青年部のリーダーに、2大観光地が手を組むことで広がる可能性や期待についてお話いただいた。

─まずはタイムリーな話題から。9月14日に有馬山口線バイパスが開通しましたが、どのような効果が見込めますか。
増田 有馬はシーズンや連休になると道が混雑してたいへんご迷惑をおかけしていたのですが、渋滞がある程度解消するのではないかと期待しています。バイパスの出口が街中と外周道路のちょうど中間あたりになりますので、街中を通る車が減ってある程度スムーズになるのではないでしょうか。
 私も有馬にはよく行きますので、渋滞が解消してくれれば嬉しいですね。私は太閤の湯がお気に入りですが、改装されるそうですね。
増田 全館の内装を和風に統一し、「黄金の茶室」をつくった秀吉公にちなんだ「金箔の蒸し風呂」を設けるそうです。
 金箔の蒸し風呂ですか?金のお湯じゃなくて(笑)?
増田 もともと有馬のお湯は金色ですよ(笑)。
─南京町商店街振興組合の青年部のメンバーは何人ですか。
 老祥記の曹さんの息子さん、劉家荘の劉くん、お菓子屋さんの神戸べいくろーるの才上くんとか、8名くらいです。僕たちは飲みに行ってコミュニケーションをとっているんです。みんな昼間は忙しいので、昼に会議するのは難しいのですよ。南京町には100店舗以上のお店がありますが、それと比べると人数は少ないので、もっと若い方に入っていただかないと。まだ発足して1年くらいですけど、地味に(笑)いろいろ活動しています。
─どのような活動を?
 まず、豚まんサミットですね。昨年は南京町広場が埋まるくらいの人出でした。そんな中、青年部は南京町のオリジナル豚まんをつくろうと。私は皮を担当しましたが、千個以上つくって大変でしたよ。でも、仲間がボランティアで集まって、深夜まで作業をするのはなかなかアツいですよね(笑)。そこが大切なのです。
増田 有馬の青年部は歴史が古く、父の世代が起こしましたので、35年くらい続いています。
 南京町にも昔、青年部があったそうですが、青年が中年を通り越してしまったんです(笑)。ちょうど間の世代がいなくて、僕たちの世代で復活したということになります。部長は1年交替にしました。誰かが長く続けるとその人に任せてしまいますが、いずれ順番が回ってくると思うと自ずとみんな積極的に活動するようになるのではないかと思ったのです。
増田 有馬の青年部リーダーも任期は1年です。でも最近、自主的な活動というよりは慣例となったイベントをこなしていくことが中心になっていると思います。川座敷などは20年近く続いているのです。イベントに歴史があるし規模も大きいので確かにやりがいのある仕事なんですけれど、みんなで一緒にイベントを完成させるというより、イベントをマネジメントしているような感じになってしまっています。その中でオリジナリティを出していこうとは思っているのですが、南京町のノリが羨ましいですね。そんな中、いま、商品開発に力を入れています。有馬で「あります」という水を売って、その利益でまちおこしの会社を立ち上げようという動きもありますし、いろいろと面白い商品もできてくると思います。
 南京町には春節祭と中秋祭のほか、端午の節句にちまきのフェアをおこなっています。お店ごとにオリジナルのちまきをつくり、ちまきの文化を広めようとはじめたのですが、昨年からは広場でお客さんにちまきづくりを体験してもらいました。
増田 面白そうですね。有馬では青年部単位というより、個別のグループで何かやろうという動きがあります。青年部のメンバーは立場も違えば空き時間もまちまちですので、「みんなで」というより「グループで」の方が活動しやすいのです。例えば有馬バルの企画があります。テラスを設けたり、金の湯の前でコンサートをやったりというアイデアが生まれています。
 行ってみたいですね!
増田 それは、飲みに行くのが好きなメンバーが集まって企画しています。また、写真好きのメンバーが集まって写真コンテストをしようと動いています。お客様の力をお借りして有馬の新たな魅力を発見できるでしょうし、撮影や展覧会を通じてリピーターの創出にも結びつくでしょうね。
─いろいろなお客様が来られそうですね。
増田 近年、中部地方や関東の方からのお客様が増えてきています。遠方からのお客様は距離感覚がわからないので、有馬が神戸だということをご存じない方も意外と多いのです。次の日どこに行こう?というお客様に、南京町はいかがですかと提案できるものがあればよいですね。
 逆に南京町でも、有馬への行き方をきかれることがありますよ。ですから、何か冊子みたいなものがあれば良いですね。また、旅行会社に提案するのもひとつの方法です。ツアーでは南京町に来られる前に灘の酒蔵に寄られる方が多いですが、そこに有馬を入れたコースが定番になればいいですね。
増田 「有馬ひと旅社」がかつて長田の商店街ツアーをおこなったのですが、大変好評でした。食べ歩きとかも人気ですよね。ですからそのようなツアーや、クーポンの配布などができればいいですね。また、有馬にはアジアからのお客様が多いのですが、私たちが海外に長く滞在していると日本食が食べたくなるのと同じで、アジアの方は中華を食べたくなるのです。しかし、有馬には中華料理店がほとんどありません。そのようなお客様を南京町へ案内すれば喜ばれるのではないでしょうか。
 まずはもっと交流を盛んにすることかもしれませんが、交通がちょっと不便です。実現は難しいかもしれませんが、シャトルバスがあればいいですね。
増田 有馬と南京町を結ぶストーリーがあれば展開も広がるでしょう。例えば孫文は有馬に滞在したこともあるようですので、そのあたりでお互いアイデアを出し合っていきたいですね。

紅葉の名所としても知られる瑞宝寺公園

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大勢の観光客で賑わう有馬涼風川座敷

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旧正月を祝う南京町春節祭。今年は世界一の龍舞が上陸した

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三国志の英雄や楊貴妃など歴史上の人物に扮した中国史人游行

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有馬温泉の若手が中心となって開発された「あります」

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有馬温泉ではご当地商品を続々と生み出す

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赤茶色の金泉は全国的にも珍しく、有馬温泉の代名詞でもある

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1933年当時の神戸南京町

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錦秋の秋にふさわしい有馬の紅葉

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秀吉は有馬を愛し、幾度となく訪れた

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中国革命の父・孫文も神戸にゆかりのある一人

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20131001801

李 宏基(り こうき)

南京町商店街振興組合青年部長
栄和飯店

1975年生まれ。名門ホテル、ザ・リッツ・カールトン大阪の中華料理「香桃(XIANG-TAO)」での点心副料理長を経て、自身の父が経営する南京町「栄和飯店」で料理長を務める。祖父も料理人で、三代続く料理人の家系である

20131001903

増田 陽平(ますだ ようへい)

有馬温泉観光協会青年部リーダー
ねぎや陵楓閣

1978年生まれ。大学卒業後いったん有馬を離れて仕事に就くも女将の引退を機会に旅館へ戻る。宿屋のイロハを学んだのち、2009年に常務取締役に就任。創業1857年、現在6代続く老舗の若旦那

20131002104

ねぎや陵楓閣

静かな丘に佇む、落ち着いた旅館。その名の通り、紅葉の美しさは有馬屈指。熟練の料理人が編み出す洗練された料理と野趣あふれる金泉の露天風呂に、リピーターも多い。
神戸市北区有馬町1537-2
TEL.078-904-0675
http://www.negiya.jp/

20131002105

栄和飯店

「医食同源」のヘルシーな料理を、台湾の宮大工が手がけた空間で。ミシュラン1つ星の名店で研鑽を積んだ李さんが考案したフカヒレチャーハン(¥2000)がおすすめ。
神戸市中央区栄町通1-2-28
TEL.078-392-1982
11:00~15:00(土日祝は~16:00)/ 17:00~21:00
不定休
http://www.eiwahanten.com/


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目次 2013年10月号