米を作った後に、玉ねぎを栽培。さらにレタスなら3回は収穫できる

御食国(みけつくに)のみなもと、 JAあわじ島

あわじ島農業協同組合 代表理事組合長 森 紘一さん

昔から「御食国(みけつくに)」と呼ばれ豊かな産物に恵まれた淡路島は、今でも食糧自給率100%以上という日本では稀代の土地柄だ。
自慢の産物や、農畜産業の現状と今後についてお聞きした。

―あわじ島農業協同組合(JAあわじ島)の特徴と言えば。
 温暖な気候です。冬、兵庫県内が真っ白な雪景色になり翌日も雪が残っていても淡路島ではもう溶けていますから野菜の収穫ができ、生鮮食料品の供給地になれるのが特徴です。
―自慢の作物は。
 有名なのは玉ねぎでしょうね。淡路島の玉ねぎは植えてから収穫するまでの期間が長いんです。その間に甘みやまろやかさを増しているようです。以前は玉ねぎといえば大阪泉州でしたが、今は淡路島が取って代わっています。レタスや白菜も甘みがあります。気温の差があるのも影響していると思います。京阪神や京浜が中心ですが、北は東北、南は九州まで広く出荷されています。
―淡路ビーフもありますね。
 淡路の仔牛が競にかかり神戸へ行き、神戸牛になるわけですから美味しいですよ。淡路島あげて名物牛丼づくりに力を入れています。農協でも加工品づくりに取り組んでいます。
―淡路島の三毛作も特徴ですね。
 水田で米を作った後に、玉ねぎを植え、翌年6月頃に収穫します。レタスだと3回くらいは収穫できますが、そうなると農家は一年中大忙しです。忙し過ぎるので、白菜も交えて、うまく回している農家も多いですね。冬でも南淡路の畑は緑で埋め尽くされています。
―三毛作の良いところは一年中儲かることですか(笑)。
 儲かっても忙し過ぎて使う暇がありません(笑)。これは冗談ですが…、三毛作の何が良いかというと、野菜は連作障害が出ますが、米を作ると障害がかなり少なくなることです。兵庫県内の他の場所でもできるといいのですが、米作りの後の気温が野菜作りには適さないんです。それができるのが淡路島です。ですから食糧自給率は100%を超えています。昔から「御食国」と言われる訳はそのへんにもあるのかなと思います。
―農家の高齢化は淡路島でも深刻なようですね。
 そこで、株式会社アグリアイランドを子会社として設立し、高齢化した農家を応援しています。人手が必要な収穫時期には若くて元気な社員が手伝いに出ます。収穫後の選別や出荷作業なども支援しています。
―国の施策との関わりが大きな農業ですが、生産者の意識とのズレを感じることはありますか。
 農林水産省の農業政策はとても良いものがあります。いかんせん、全国一律なんですね。日本全国、地域によって気候や土壌などあらゆる条件が違っていますから、その施策にのっとったほうが良い地域もあれば、合わない地域もあります。まずは農協がその地域に合ったやり方で農家と農業を引っ張っていくことが必要です。
―これからの農協に必要なことは。
 先日も職員を連れて参加したセミナーで、P・F・ドラッガーの経営理論を聞きましたが、その内容で一番印象に残っているのが「お客さんが欲しいものを作って売る」ということです。今までの農協は、「農協がいいと思ったものを作って売る」。お客さんが必ずしも欲しがっているわけでもないのに、「作ったから買ってくれ」と言っているようなものです。これからはまず需要を見据えてから野菜や果物を作らないといけませんね。
―お客さんの需要については何か変化は見られますか。
 お客さんの安全・安心への関心が高くなっていますね。玉ねぎがまるで高級果物のように箱に入っていて、しかも高い!組合長の私もびっくりですよ。それでもお客さんはそれを求めています。少々値段は高くても安全・安心で美味しいものを求めておられるのでしょうね。もちろん農協では指導を徹底して、しっかり検査して、肥料や農薬は決められたものしか使っていないものだけを出荷しています。JAあわじ島には25名の営農指導員がいます。これほどの人数がいるのは珍しいのではないでしょうか。
―私たちもJAさんの商品には安心感を持っています。JA兵庫六甲さんのように、JAあわじ島の直売所は作らないのですか。
 現在計画中です。JA兵庫六甲さんのエリア内にはたくさんのお客さんがいますが、ここ淡路島ではそうもいきません。よっぽど魅力ある直売所にしなければ…。赤字を出してしまうようでは大変です。今、県内あちこちのJA直売所を視察し勉強しているところです。
―これからの淡路島の農業の方向性は。
 三毛作に追われて進んでいない農家の圃場整備が課題です。農協からも指導しながら進めていくつもりです。皆さんあまりご存じないようですが、淡路島の産物にはみかんや枇杷など美味しい果物もあります。せっかくの産物なのに、このままでは消えてしまいます。圃場変更して何とか戻していきたいと思っています。直売所も作る予定ですから、ほうれん草やネギのような家庭で需要が高い軟弱野菜の生産も伸ばしていかなくてはいけません。雪や雨で収穫できませんという訳にはいきませんから、露地物と併せて、温室を造って栽培する体制づくりも必要ですね。
―高齢化が進む農家の協力は得られていますか。
 農家には若い人たちもいます。今のままでは満足できないと色々な要望を農協に上げてきます。それぞれが小さなグループを作り改革に取り組んでいます。今や、指導するはずの農協のほうが後れを取っていて農家について行けないと言ってもいいほどです。これからの農業の担い手である若い人たちとコミュニケーションを取り、その意見を取り入れながら安定した農業の方向へ誘導していくのが農協の役割だと思っています。
―農協として研修なども実施しているのですか。
 アメリカをはじめオランダ、ドイツ、イギリスなどへ研修に行っています。例えば、玉ねぎを保管する冷蔵庫内の温度設定は、庫内の温度差が問題でした。ところがヨーロッパで使っている冷蔵庫は、玉ねぎの温度を設定してそれを実現するためのものです。その技術を導入できないかと研修に行かせました。玉ねぎの根を切って、外皮をむいて、選別するなど農家が負担を感じる細かな作業を農協でできないか考えています。海外の技術は進んでいますから、どんどん研修に出かけて取り入れていきます。
―これからもJAあわじ島から安全・安心で美味しい野菜や果物、お肉を私たちに届けて下さい。よろしくお願いします。

長く保存するために、日陰で乾燥させる

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甘み、まろやかさが特徴の淡路島の玉ねぎ

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淡路牛を玉ねぎで煮込んだオリジナル商品も手掛ける

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森 紘一(もり こういち)

あわじ島農業協同組合 代表理事組合長
南あわじ市賀集に生まれる。株式会社森長組社長、1999年5月より旧南淡町長。2009年6月よりあわじ島農協代表理事副組合長を経て、2012年6月、あわじ島農協代表理事組合長に就任。現在に至る。

JAあわじ島

JAあわじ島は、兵庫県の南部に位置する淡路島の約3分の1を占めており、三原川を中心に肥沃な平野でたまねぎ、レタス、はくさい、キャベツ、ブロッコリー等の野菜を中心に米、畜産、果樹、花卉など多彩な農畜産物の生産が行われています。

淡路島たまねぎ・あわじ島レタス

甘くて柔らかい【淡路島たまねぎ】

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フレッシュでシャキシャキの【あわじ島レタス】

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※価格はお問い合わせください

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淡路島たまねぎのあげアゲ揚げ玉

幅広く利用できる万能加工品

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■連絡先 TEL:0799-42-5210
     FAX:0799-42-3188
■団体名 JAあわじ島
■代表者 代表理事組合長 森 紘一
■住所 兵庫県南あわじ市市青木18-1
■ホームページ http://www.ja-awajishima.or.jp/info/


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目次 2014年3月号