〝グローカル〟な視点をもつ看護師の育成を

甲南女子大学 
看護リハビリテーション学部
学部長 荒賀 直子さん

教養に根ざした実学を目指し開設された看護リハビリテーション学部。どんな教育が行なわれているのだろうか。

各方面から高い評価

本学の学生は、校訓にもあるように優しくて素直ですね、きちんとした教育を受けてきていると感じます。ちょっと引っ込み思案なところがあるかなと心配もありましたが、卒業生たちの看護現場での評判では、時にはリーダー的な存在にもなり、良い仕事をしていると聞きます。私は着任してから4年目ですので、準備段階から関わったわけではありませんが、開設にあたっては学部の枠を越え、教員と事務職員総出で準備をされたと聞いています。8年目にもかかわらず、これだけの高い評価をいただけるのは素晴らしいことです。

大学看護学科としての使命

看護学科の学生は、大阪、神戸、阪神間などの総合病院へ実習に出ます。本学の特徴は、実習に教員が付き添いますから現場でもきちんと指導を受けられることです。4年間で看護師を中心に3つの国家資格を取れるようにするわけですから、1年生から4年生前期まで実習が続き大変ですが、よく頑張っています。本学の実習生は服装、立ち居振る舞いがきちんとしているとお褒めの言葉をいただきます。形は大切ですからね。形があってこそ中身が伴いますから、とても良いことだと思います。
それでも科目の単位を落とす学生もいますが、決して「点数が足りないから単位はあげられません」というものではなく、そこに至るまでにアドバイザーや科目担当者が関わり、可能な限りの指導をしています。その結果、単位を落とし留年するのは致し方ないことです。厳し過ぎるという声もいただきますが、国家試験合格だけを目指す教育では大学としての使命は果たせません。現場できちんと実践できる看護師を育てるという社会的責任を担っていると考えています。

自分の頭で考える看護師に

甲南女子大学の伝統を守りながら、「本学らしい看護」を作っていきたいと考えています。優しさは備わっている学生たちですから、自分で考え臨機応変に動ける看護師の育成です。学生に頭を使って物事を考えさせる教育が大事です。ひいてはそれが、人の生き方を考えるという看護の基本につながります。4年間という限られた時間の中でどれだけできているかは分かりませんが、暗記だけではない、学生自身に考えさせる授業を心がけています。本学で学び、考える力を備えた看護師に育って欲しいと願っています。物を考えられない看護師は単なる道具になってしまいますからね。そして私は個人的に、それに加え語学ができる看護師を育て、国際化を図りたいという希望を持っています。本学には英語文化学科や多文化コミュニケーション学科がありますから、連携を取りながら進めやすい環境にあると思っています。

連携によって進めるIPE

また、他大学とも連携を図りながら「IP(インタープロフェッショナル)E(エデュケーション)」チーム医療についての学び、そして「IPW(ワーク)」チーム医療での働き方についての学びを取り入れようとしています。幸い、近隣の大学から連携の申し出をいただき、大きな一歩を踏み出せそうです。また、病院や訪問介護ステーションと大学が連携してより良いケアの研究を進めることは国が出している方針でもあり、本学でも連携先を見つけ大学院を中心に進めたいと考えているところです。

〝グローカル〟な視点を持って

物事を自分の頭で考え、さらに〝グローカル〟な視点を持って欲しいですね。つまり、グローバルに物を考えられるけれど、足元(ローカル)もきちんと見られる看護師になって欲しいということです。そのためには教える側もそういう人間でなくてはいけませんから、教員も時間をかけてじっくり育てていくのが理想だと思っています。
看護師は人と接するいわゆるサービス業です。文化的な素養も必要としますから、甲南女子大学に本学部があることには大きな意味があると思います。校訓「清く 正しく 優しく 強く」を理解できる学生、そして保護者の方には本学部の特徴をご理解いただき、本学部を選んできてほしいと思っています。

看護リハビリテーション学部は、看護学科と理学療法学科に分かれる

看護リハビリテーション学部は、看護学科と理学療法学科に分かれる

荒賀 直子(あらが なおこ)

1945年、東京都生まれ。聖路加看護大学卒業。京都女子大学大学院家政学研究科修士課程修了後、順天堂大学にて博士号(医学)取得。2011年に甲南女子大学看護リハビリテーション学部教授となり翌2012年より現職。


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目次 2014年7月号