コンサートや講演など、ふれあいの場となるコミュニティスペース

地域コミュニティーの一員として/おいしい蜂蜜も魅力です

M(エム)ボヌール 施設長 見市 拓さん

 

平成10年から開業医として地域医療に携わってこられた藤井内科クリニック・藤井芳夫先生が、「住み慣れた街で安心した生活を送ってほしい」と開設した「Mボヌール」。その思いをどのように実現しているのか、見市施設長にお話しいただいた。

 

地域の〝かかりつけ医〟としてやるべきことは…
「Mボヌール」は「Maison de Bonheur」。訳すと「幸せの家」。藤井先生は長年、かかりつけ医として地域の皆さんと触れ合ってきました。そんな中、患者様の高齢化が進み、来院された時の治療だけでなく生活環境を整える必要性を痛感していたそうです。中でも要介護認定を受けた方のためのホームを作ることが最良の方法だろうと考えました。先生自身のお母様の介護や、往診で近隣施設を訪ねた時の経験を生かし工夫した方法で、充実したサービスをリーズナブルな費用で提供したい。地域コミュニティーの一員として幸せに暮らせる家にしたいという思いだったそうです。

充実したサービスをリーズナブルな費用で提供

生活する上で最も大切にしたいのは?」と考えた時、「住み慣れた地域での関わりをずっと継続する」「毎日、口に合う食事をする」「お医者さんが近くにいてくれる」「誰かが側にいてくれる」など色々と思い浮かぶのではないでしょうか。それらを、費用を含めていかにリーズナブルに、かつ満足いただけるレベルで実現していくかを考えるのが私たちの役目だと考えています。例えば、要介護者にとって「居室は広ければよいのか?」といえば、そうでもないのですね。基本的なプライバシーが守られ、生活しやすい適切な広さがあります。リビング、ダイニング、お風呂などの共用スペースを取ることで、コミュニケーションの場になり、スタッフの目も届きやすくなります。様々な要素と費用とのバランスを考えながら検討した結果生まれたのが、Mボヌールです。

安心の医療体制と美味しい食事、楽しいイベント

入居者ご本人も、ご家族にとっても一番心配なのは体調です。日常生活での健康面はホームドクターとして藤井先生がフォローします。必要に応じて専門医や総合病院と連携し、診察や入院などがスムーズに進められるよう体制を整えています。夜間や休日の緊急時は救急車を呼ぶ場合もありますが、フットワークの軽い藤井先生は、労を厭わず駆けつけて下さいます。昼間は先生の往診もあり、スタッフ同行でのクリニック受診もあります。スタッフにとっても身近な藤井先生は大きな安心の存在です。
一方、一番の楽しみといえば、やはり食事。Mボヌールでは、「京料理 花萬」の料理人が調理した作りたてのお食事を提供しています。この規模の施設としてはかなり充実した食事だと自信を持っています。更に、管理栄養士が常駐し、入居者一人ひとりの体力や健康状態に配慮した献立づくりをしています。そしてユニークなのは、藤井先生が「美味しくて、身体に良い」と推奨する蜂蜜を食卓に欠かさないこと。屋上で飼育するミツバチから採取する、とれたて新鮮な蜂蜜です。有名なフランス料理のシェフが、ボランティアで月に一回来て下さいます。彼の作るスープは絶品です。蜂蜜を使用したデザートも毎回の楽しみです。
また一年を通じて、お花見、夏祭り、文化祭、クリスマス会…と季節感を持ったイベントや誕生日会、ボヌール喫茶なども企画実施し、ご家族もご招待して一緒に楽しい時間を過ごしています。音楽やダンスなどでは、ボランティアをはじめ地域の皆さんにもご協力いただいています。お向かいのグループホーム入居者様とご一緒にというケースも多々あります。
2011年10月に開設した「認知症高齢者グループホームMボヌール」は、認知症の方に落ち着いた日常生活をしていただくことを目的としています。屋上庭園で野菜づくりをしたり、専門家の指導の下、パン工房でおやつ用のパンを焼いたりと、毎日の生活の中で自分自身でできることをごく自然な形で思い出しながら生活していただけるような環境づくりをしています。
私たちが常に心がけているのは入居者様の安心と安全の確保です。そして、できていたはずの色々なことができなくなったことに対して持っておられる焦燥感を十分に理解した対応を心がけています。
今後も仕事に対する意欲と質の高いサービスを認めていただけるホームを目標に研修も充実させており、家庭的な雰囲気を大事にしながらスタッフ一同努力してまいります。

蜂蜜で深まる食の楽しみ

ミツバチの巣箱が4箱並んでいる。「ハチミツの魅力は、一口食べると広がる何とも言えない甘さと独特の風味。子供のころの思い出が蘇える味です」と藤井芳夫先生。このハチミツを是非、入居者さんにも味わってもらいたいと、御影にある俵養蜂所を訪ねて指導と協力をお願いして、養蜂を開始した。
ミツバチから蜂蜜を採取するのは5月から7月まで限定で、一年のうちわずか3カ月だけ。この間に、蜜を集める花が順に変わり、蜂蜜の色や香り、味も変わる。Mボヌール屋上から眺める自然豊かな里山の風景がそれを可能にしていると納得させてくれる。
さて、残りの約9カ月間はというと…、スズメバチから守ったり、砂糖水を与えたりと、ミツバチのお世話はなかなか大変だ。藤井先生も自らネットをかぶり蜂蜜の採取を手伝うこともある。とれたて新鮮なハチミツを、入居者さんに喜んでもらうのは楽しみの一つ。フランス料理のシェフが蜂蜜を使ったフィナンシェを焼いておやつに届けて下さることもある。「施設の入居者に限らず食べる楽しみというのは重要なポイントです」。藤井先生の蜂蜜に込めた思いは熱い。

「Mボヌール」を運営する㈱陽楽代表取締役・藤井富美子さん(右)、藤井内科クリニック理事長・藤井芳夫さん(中央)、「Mボヌール」施設長の見市さん。三者の連携によって入居者の立場に立った運営を行う

「Mボヌール」を運営する㈱陽楽代表取締役・藤井富美子さん(右)、藤井内科クリニック理事長・藤井芳夫さん(中央)、「Mボヌール」施設長の見市さん。三者の連携によって入居者の立場に立った運営を行う

介護付有料老人ホーム「Mボヌール」。道を隔てた向かい側にはグループホーム「Mボヌール」が開設した

介護付有料老人ホーム「Mボヌール」。道を隔てた向かい側にはグループホーム「Mボヌール」が開設した

プライベートを充実させる全個室。居室は御夫婦で入居できる2人部屋(2室/36㎡)、個室37室(18㎡)を設ける

プライベートを充実させる全個室。居室は御夫婦で入居できる2人部屋(2室/36㎡)、個室37室(18㎡)を設ける

「Mボヌール」の周辺には、田畑が広がり、季節ごとに味わいの違うハチミツを楽しめる

「Mボヌール」の周辺には、田畑が広がり、季節ごとに味わいの違うハチミツを楽しめる

「入居者の方に食べる楽しみを大切にしていただきたい」と食材にこだわる藤井先生自らが養蜂を行う

「入居者の方に食べる楽しみを大切にしていただきたい」と食材にこだわる藤井先生自らが養蜂を行う

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見市 拓(みいち ひらく)

1969年自由学園(大学部)卒業。2000年関西学院大学大学院経済研究科修士課程修了。1969年㈱神戸製鋼所入社。1994年神鋼ケアライフ株式会社へ出向、同年代表取締役常務。2008年社団法人全国有料老人ホーム協会入社、事務局長。2008年同常務理事事務局長。2011年㈱陽楽入社、介護付有料老人ホーム「Mボヌール」施設長に就任。現在に至る。

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介護付有料老人ホーム Mボヌール

TEL.078-707-7008
〒655-0852
兵庫県神戸市垂水区名谷町平ノ垣内852-1

認知症高齢者グループホーム Mボヌール

TEL.078-707-7333
〒655-0852
兵庫県神戸市垂水区名谷町字平ノ垣内871-1

URL http://m-bonh.jp


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目次 2013年2月号