2000年、地元の人々の再開を願う声に応える形でリニューアルオープンを果たした

本物を識る地元の人に愛されて 感性をインスパイアする料理を 神戸北野ホテル

私がここに来たのは2000年です。阪神・淡路大震災後、ホテルの存続を願う地元の人たちに応え、オーベルジュとしてリニューアルしました。
ここには2つのレストランがあります。少しカジュアルなイグレックは、朝は「世界一の朝食」、昼はランチ、午後はアフタヌーンティー、夜はディナーと、ダイニング・カフェ・グリルの3つの顔があります。もう1つのレストラン、アッシュでは私の師匠、ベルナール・ロワゾーが1970年代に創り上げた新しいフランス料理の技法を継承した、シンプルで軽めの現代風フレンチを提供しています。神戸は日本の中でも食材が豊かな街です。その「地産」をフランス料理のテクニックを用いて、料理として表現しています。
神戸・北野の人たちは本物を識っていますし、昔から異国のものを受け入れる文化がありますから、本物を受け入れてもらいやすい地域性があるのですよ。ですから、地元の人に愛される料理を常に目指しています。神戸で唯一のものは、世界で唯一のものなのです。私の料理はひらめきから生まれるものではなく、お客様との「対話の料理」です。お客様の趣向と時の流れは常に同じではありません。変化しているからこそ「変わらない」のです。
ここはかつて日本ではじめてオリーブが栽培された場所だそうですが、山の空気を感じながら船の汽笛が聞こえる日本でも稀有なロケーションで、時を忘れゆったりとした気持ちになれるところです。また、徒歩圏に買い物から映画館まですべて揃っていて便利です。
今後は、今まで以上に料理をサイエンス化していきたいですね。料理を科学することで誰もが美味しい料理をつくることができるようになれば、美味しい料理から感性を刺激する料理の時代へと変わっていくでしょう。レストランは食により感性をかき立てられ、疑似体験で時空を行き来できる、タイムマシンやどこでもドアのようになっていくべきだと思います。

師・ベルナール・ロワゾー氏が提唱したフランス料理を継承するフレンチレストラン「アッシュ」

師・ベルナール・ロワゾー氏が提唱したフランス料理を継承するフレンチレストラン「アッシュ」

焼きたてのパン、国産のハチミツやジャム、ハムが食卓を飾る「世界一の朝食」

焼きたてのパン、国産のハチミツやジャム、ハムが食卓を飾る「世界一の朝食」

お客様との「対話」から生まれるという山口さんの料理は、評価が高い

お客様との「対話」から生まれるという山口さんの料理は、評価が高い

神戸北野ホテル 総支配人・総料理長 山口 浩 さん

神戸北野ホテル 総支配人・総料理長 山口 浩 さん

神戸北野ホテル

神戸市中央区山本通3-3-20
TEL.078・271・3711


ページのトップへ

目次 2014年10月号