3号館は、神戸市建築文化賞、兵庫県みどりの建築賞を受賞。近隣の環境に調和したデザインになっている

蛍も瞬くキャンパスは地域に支えられて90年 神戸山手大学

本学は大正13年の創立から90年を迎えます。私学では珍しく「コミュニティ立」と言いますか、地域の有志が少しずつ資金を出して協力して創設した、地域社会に支えられた学校です。大正年間は自由な雰囲気があり、教育にも関心が高い時代でしたが、当時は女子の進学の場が少なかったのです。そこで、女子校だった当時の神戸市立山手尋常高等小学校の校長だった杉野精造先生が父兄や地域の方々に呼びかけて「山手学習院」ができ、建学の精神である「自学自習」「情操陶冶」を掲げた教育をおこなうようになりました。
創設当初は家政のみならず、教養にも力を入れていたと聞いています。いわゆる「お嬢様学校」だったのでしょう。当時からこのあたりは山手の住宅街で、教育への造詣も深かったようです。神戸女学院や頌栄短期大学もこの地域が発祥です。本学の3号館はもと頌栄短大だったところで、ヴォーリズの建物がありました。
大学ができた15年前に赴任しましたが、私の名前も同じ「山本」ですし(笑)、山本通の環境を大変気に入っています。都心に近く、しかも閑静。職住遊学に適していますよね。教育の場としても良い立地で、街の中へ出かけるフィールドワークには好都合。まさに「神戸の街がキャンパス」です。また、相楽園と協定を結び、学生は無料で入場できますので、休み時間の散策や建築関係の授業などに活用させていただいています。
いま少子化の時代を迎え、新たな取り組みが求められています。大学は現在1学部1学科ですが、来年度からは観光文化学科を設置し、さらに数年先に新学部の創設を目指しています。
地域社会に支えられてきた学校ですから、地域連携は重要なミッションです。中央区や近くの生田文化会館、水の科学館、平野商店街などとも連携してイベントなどに関わっています。キャンパスを流れる川には蛍が出るのですが、初夏になると地域の人たちに学校を開放して観察会もおこなっているんですよ。

神戸の街全体がフィールドワークに生かされる。写真は、「インフォラータこうべ」の花絵制作を行う学生たち

神戸の街全体がフィールドワークに生かされる。写真は、「インフォラータこうべ」の花絵制作を行う学生たち

「コミュニティ立」として地元のご息女の教育を目的に創設された(昭和21年頃)

「コミュニティ立」として地元のご息女の教育を目的に創設された(昭和21年頃)

諏訪山から望む神戸の街並(大正13年頃)

諏訪山から望む神戸の街並(大正13年頃)

神戸山手大学 学長 山本 賢治 さん

神戸山手大学 学長 山本 賢治 さん

神戸山手大学

神戸市中央区山本通6-5-2
TEL.078・371・8000


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目次 2014年10月号